陶芸家・二階堂明弘 個展「経年美化」東京駅「IDEE Gallery」にて開催

陶器を使っていると、経年変化を感じることがある。その美しさにスポットを当てた個展を紹介しよう。

■経年変化を楽しむ器

東京駅構内、グランスタ東京にある「IDÉE TOKYO」に併設する「IDEE Gallery」にて、 11月2日(火)の期間、陶芸家・二階堂明弘 作陶展「経年美化」を開催中だ。

新たに制作した作品を展示販売するほか、二階堂氏の作品を使い続けている人の愛用品もあわせて展示する。

二階堂明弘氏は静岡を拠点に、国内にとどまらず海外へと活動の場を広げている陶芸家。代表的な作品「錆器(しょうき)」は、鉄分の多い土を鉄の粉末と銅を主原料とする釉薬で塗り重ね、美しく経年変化した鉄のような質感が特徴だ。

土を焼き締めた薄造りの器は、繊細な美しさを持ちながら、使い込むほどに使い手の痕跡が刻まれて変化を遂げる。器を育てているような感覚が心地よく、どの器も日々の暮らしに豊かさをもたらしてくれる。

■実際に使用されている器も展示

2020年3月開催に続きイデーとしては4回目となる同展では、日常使いの器をはじめ、花器や壺などの作品を展示販売。また、二階堂氏の作品を使い続けている人から借りた愛用品を展示し、日々使うことで新たな表情を纏った器の経年の様子も見ることが可能だ。

二階堂氏はこう語る。

古来から日本では大切な物を慈しみ育てるという考え方が根付いている。器はそれ自体が美しい造形物ではあるが、本来は使い続け汚れていく様に美を見出だし、器を育てるという価値観は日本独特のもの。

作りだした器達は、そのままでは、まだ完成していない。誰かが手にとり使っていく事で器に新たな美が宿り、その人の物になっていく。使い続けていくことで新たに産まれた器達がどのように育つか、想像しながら器をご覧いただければ嬉しい。

さらに同展では、華道家・上野雄次氏を迎え、季節の花々を活け込んだ花器が会場に華を添える。個展を通して、経年を楽しみながら大切に使いつづけることの美しさを感じて欲しい。

二階堂明弘 作陶展 経年美化 華=上野雄次

期間:2021年10月15日(金)~11月2日(火)入場無料
営業時間:10:00~21:00

DÉE TOKYO 併設 IDÉE Gallery

所在地:東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東日本東京駅構内 グランスタ東京 B1F

※改札外からの利用の場合は、JR東日本東京駅を区間に含んだ乗車券類または入場券(140円)を買い求めのうえ入場となる

IDÉE TOKYOhttps://www.idee-online.com/shop/contents1/ideetokyo.aspx

(hachi)

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