日本の伝統技術とモダンジュエリーの世界に触れるイベントを紹介する。山梨県甲府市のジュエリー会社、アンブローズアンドカンパニーは、本社にある展示室「匠コレクション」にて特別イベントを開催する。
■匠の技を宝石のスペシャリストが紐解く
アンブローズアンドカンパニーは1984年にオリジナルブランド「Ambrose」を発表し、自社工房で高品質なジュエリーを製造・販売してきた。日本の伝統工芸品とアンブローズの匠の作品を集めた展示室「匠コレクション」は去年の春にオープンし、来場者たちから高い評価を得ている。
伝統技術とアンブローズ屈指のモダンジュエリーの対比が楽しめる本展示室において、特別イベントGIA G.G.(米国宝石学会宝石鑑定士)の資格を持つ代表の堀内氏による美術講座を実施する。伝統的かつ革新的な匠達の技を宝石のスペシャリストが紐解いていく。
匠コレクション概要
[開館時間]10時~17時(最終受付16時30分)
[入館料]大人800円 学生500円(15歳未満無料)
[場所]アンブローズアンドカンパニー株式会社 本社
■日本の伝統彫金とモダニズムの融合
当コレクションは創業当時から蒐集した物の一部と、アンブローズの匠達の作品によって成り立っている。その品々たちによって職人達は、技術・デザイン・知識をお互いに高めあってきた。展示物の品々は彫金、貴石画、象嵌、ジュエリーという4つの区分に分けられ様々な特徴を見ることができる。そのひとつジュエリーの基本である彫金は、「たがね」というノミに似た工具による「打出し」で金属表面にレリーフを形作り、その上に宝石や異なる金属を嵌め込む象嵌で完成されている。
アンブローズのジュエリーはそんな日本の伝統彫金とモダニズムが融合し今日に至っている。様々なコンテストに出場し多くの賞を獲得しているが、中でも以下の2点は最高ランクの賞を受賞した。
■星の一生・スーパーノヴァを表現
スーパーノヴァとは星の最後に起こる超新星爆発という現象を意味し、このジュエリーでは星の一生を表現している。ブラックダイヤモンドとカラフルなトルマリンで儚い最後の煌きを、しなやかに伸びた輝く軌跡はダイヤモンドと華やかなゴールドによって壮大なエネルギーを思わせる。すべての創造の原点である宇宙、どれ一つ欠けても成しえない星の誕生の奇跡はジュエリーが創られる工程と重なる。
■インテリア・ジュエリーとして注目・鶴菱亀甲花瓶
この作品は日本古来より継承されている家紋がモチーフとなっている。花瓶の側面には長寿の象徴である鶴丸紋を、菱形は現在の山梨県である甲斐国の知将、武田信玄のシンボルを交互に配した。また六角形の花瓶は亀の甲羅を表し、鶴亀に祝福と歓喜、末永い平和への祈りがこめられている。制作当時、インテリア・ジュエリーとして注目を集めた逸品だ。
秋の色に染まる山梨で、本物に触れてみてはいかがだろうか。
◆イベント概要
匠の世界にふれる
10/12(火)・14(木)・18(月)・19(火)・21(木)
午前の部:10時~/午後の部:14時~
各部5人まで。3密を避けるため、事前の予約を。
詳細・予約 https://www.ambrose.co.jp/shop/kofu/
(suzuki)