飲食業の新しいカタチ!倒産した横丁をシェアレストランとして復活

このコロナ渦で、馴染みの店が閉店してしまった、という人も少なくないはず。そんな現状に一石を投じる、新しい試みを紹介しよう。

外食DXを推進するfavyは、運営会社の倒産により閉店した「天文館かごしま横丁」の復活プロジェクトを開始する。同プロジェクトは、favyが推進するシェアレストラン構築支援・店舗運用支援の取り組みの一環となる。

プロジェクト第一弾として、鹿児島県の「天文館かごしま横丁」と大分県の「おおいた元気横丁」を新たなシェアレストランとして再オープン。同時に各横丁に入居するシェフや飲食店を募集している。

初期投資無しで出店することができる、このシェアキッチン事業を通して、飲食開業の活性化や各横丁の店舗の再チャレンジの場をつくっていく。

■倒産した「天文館かごしま横丁」

「天文館かごしま横丁」は、飲食店主体の商業施設を展開する会社が運営していた。当時の入居店舗は8店舗。鹿児島の食材を使った料理で地元の魅力をまるごと味わえたり、料理人の挑戦の場としての場所を提供することができる場で、鹿児島県の食を楽しむ施設として注目されていた。

しかし新型コロナウイルスの影響もあり、2021年6月に惜しまれながら運営会社の倒産により閉店。入居店舗も仕事の場を失うことになってしまった。

■銀座のシェア型レストランの形を応用

同プロジェクトでは、東京・銀座で展開するシェア型レストラン「re:Dine GINZA」の形式を、横丁の形式にあわせてフォーマットを変更。本来飲食店の出店に必須となる初期費用500万〜1500万程度をゼロにし、固定家賃を売上連動の歩合家賃にすることで、出店者のリスクを最小にした。

さらに今回の目玉として、favyが持つシステムだけでなく外食DXを推進するために、外食DXやレストランテック企業と提携し、入居者の手間を最低限にし、売上を最大化させるための補助ツールとして様々なサービスを提供。

このように、最先端の「コワーキングスペース」「シェアオフィス」のレストラン版ともいえる飲食店がすぐに開業できる場を提供することで、若手飲食人の起業支援や新型コロナウイルスで閉店となった飲食人の再チャレンジの場をつくっていく。

■横丁の活性化を担う飲食人を募集

「天文館かごしま横丁」にて「黒さつま」を運営していた福見氏。飲食歴10年。

今回の再生に賛同する飲食人、福見智宏氏はこう語る。

新型コロナウイルスが飲食業界にも影を落とし、なかなか先行きが見えない中でも支援していただける施策や応援してくださる声も多くあったため、今回出店を決めました。このような状況でも、私にできることを精一杯努めたいと思います。また街に賑わいが戻ってくるようにしたいです。

同プロジェクトでは年内のリニューアルオープンにむけ、町と横丁の活性化に協力する飲食人を募集。シェフひとりの出店だけでなく、複数人チームでの出店も歓迎している。

今後は鹿児島県、大分県だけではなく、宮城県・富山県・徳島県などの再生も予定。東京都内にモデルケースとなる店舗を創るため、re:Dine GINZAのリニューアルや複数のシェア型レストランを開発中。

飲食業界の未来をつなぐ同プロジェクトは、人や地域の活性化にもつながるはずだ。

鹿児島県「天文館かごしま横丁」:https://redine.jp/recruiting/kagoshima
大分県「おおいた元気横丁」:https://redine.jp/recruiting/oita

(hachi)