芸術の秋は、映画を見たくなる季節。9月17日から20日まで金沢で開催の「カナザワ映画祭」と「タテマチ屋上映画祭」を紹介しよう。
■日本初の屋上映画祭「タテマチ屋上映画祭」
2019年に金沢のマチナカの商店街・竪町商店街主催、今年で3年目となる街の中心地にある立体駐車場「タテマチパーキング」の屋上で開催する日本初の屋上映画祭。「ルーフトップシアター」でリクライニングチェアでの作品鑑賞が出来ることが特徴だ。
独自のキュレーションによる国内外の作品の上映を通した映画による文化交流を行うだけでなく、スカラシップ制度を通じて気鋭の新人監督に金沢を舞台にした映画を、国内でも有数の200万円の制作支援金によって制作を支援する取り組みなど、金沢の魅力を内外に発信する役目も果たす。
コロナ禍の今年は2つのプログラムを上映予定。
AKIRA デジタルリマスター版
2020年の東京オリンピックを目前にしたネオ東京を舞台に、最高軍事機密「アキラ」を巡って政治や宗教、そして若者たちのエネルギーが炸裂する。原作者・大友克洋自らが監督を務め、製作期間3年、総制作費10億円を惜しげもなく費やした壮大なSFアニメ大作。
宇宙人の画家(プレミア上映)
2020年のタテマチ屋上映画祭にてスカラシップ制度に選ばれた保谷聖耀監督によって、金沢を舞台に制作された映画。豪華キャストに加え、地元金沢でのオーディションで選抜された子役が多数、参加している。
■15年目となる「カナザワ映画祭」
2007年に石川県金沢市で始まり今年で15年目。一般社団法人映画の会が主催する、独自の作品選びにより熱狂的な映画ファンから支持される映画祭。「金沢21世紀美術館」内に存在するシアター21で開催。
恒例の「期待の新人監督」で応募作品83作品の中から11作品を選び上映し、グランプリである「期待の新人監督賞」がこの中から選ばれる。「期待の新人監督」では、過去に何人もの入選監督が商業監督となり映画業界やテレビドラマなどで活躍している。
今年のプログラムは「期待の新人監督」と、歴代グランプリ監督の作品を上映する。
奈落の翅
初代グランプリ監督で現在は映画『全員死刑』やドラマ『スカム』シリーズ、『酒癖50』シリーズで活躍中の小林勇貴監督の新作『奈落の翅』をプレミア上映と舞台挨拶を予定。オリンピックでも話題となったスケートボードを題材にした映画で、すでにSNSでも話題を集めている。
コロナ禍ゆえに、規模を縮小して開催する映画祭。色々な日常が消えてゆく中、映画祭の火を灯し続ける人たちがいるのは嬉しいことだ。
会期:
(タテマチ屋上映画祭)9月17日(金)~18日(土)
(カナザワ映画祭)9月18日(土)~20日(月・祝)
タテマチ屋上映画祭:https://www.eiganokai.com/event/filmfes2021/tatemachi/
カナザワ映画祭:https://www.eiganokai.com/event/filmfes2021/kanazawa/
(冨田格)