使い手の不在や維持管理の難しさから、京都では現在年間800棟の京町家が取り壊されているという。また、減少する京町家に対して歯止めをかけるための条例も打ち出されているが、取り壊されていく町家は後を絶たず京都の伝統的なまち並みは失われる一方だ。
そんな中、話題のスマートホームを日本の伝統住宅に取り入れた、新しいコンセプトを持つ家が誕生した。
mui Labは、京町家の再生販売などを手掛ける不動産会社、八清(ハチセ)とともに伝統住宅をスマート化した京町家 「人生を紡ぐ家」を発表。八清にて販売中だ。
■家族の生活を豊かにする「muiボード」
「人生を紡ぐ家」では、インテリアに馴染む木製「muiボード」による手書きメッセージ機能が家族とのつながりをつくる。
「muiボード」にはスマートホーム機能も搭載され、エアコンの制御や運転状況の確認、照明の制御、スマートメーターによって使用電力が可視化され、環境配慮を意識しながら生活することも可能だ。
「人生を紡ぐ家」は、織物のまちとして知られる京都・西陣の一角にあり、かつて織機が置かれた天井の高い空間が特徴の「織屋建(おりやだて)」と言われる造り。職人の巧みな技が襖や窓のディテールに残り、日本が長く培ってきた美意識に感化されるしつらえだ。
木や土などの自然素材を使い伝統的手法で建てられる京町家と、冷たく無機質なイメージが強いデジタルテクノロジーをより身近であたたかみのある木素材で開発した「muiボード」は好相性。
これまで500棟の京町家のリノベーションを手掛けてきた八清の考えとも合致したことからコラボレーションが実現した。
■「人生を紡ぐ家」に込められた想い
「muiボード」は手書きや音声での伝言板の機能を備えることから、核家族化が進む現代の家族間コミュニケーションツールとしての役割も果たす。温かみのあるmuiボードから映し出されるメッセージが、より深く家族をつないでくれることが期待できそうだ。
また、お知らせ機能とスケジュール・リマインダー、深呼吸促進機能、タイマー、アラーム、1日分・1週間分の天気予報やカレンダー表示、muiモバイルアプリなど多彩な機能も搭載。
スマートホームとしては前述した機能の他、音楽(Sonosスピーカー連携)やラジオ(radiko連携)を聞くこともでき、生活をより豊かなものにしてくれる。
断熱性などの物理的要素の「快適さ」だけではなく、ワクワク感や居心地、情緒といった心理的要素の「快適さ」をも満たし、家族とのつながりや心の豊かさをはぐくむ暮らしを提案している。
今ある資源を有効に活用し、最新テクノロジーを取り入れて後世に繋げていく新しい住宅の形だ。
リノベーションスマート京町家「人生を紡ぐ家」
所在地:京都市北区
物件詳細:https://www.hachise.jp/buy/66011/index.html
※物件販売終了後はWebページは削除される。
mui Lab:https://muilab.com
(hachi)