自然に還る生分解性素材を使⽤した大型家具!循環型都市を実現するプロジェクト

バイオマス素材を使用し、3Dプリンターで作った自然に優しい大型家具が登場。循環型都市を実現するプロジェクトの一環だ。

NODは、ネクアス、Booleanとともに、”⾃然と⼈間のつながりを捉え直し、有限の資源を利活⽤する循環型都市を実現する”プロジェクト「Recapture」を開始。第⼀弾として、ネクアスが開発した生分解性酢酸セルロース素材「NEQAS OCEAN」を使用した、世界初の大型3DP家具を発表。

■「Recapture」プロジェクト概要

「Recapture」は、酢酸セルロースをはじめとした⽣分解性バイオマス素材や有機廃棄物などを3Dプリンターによって加⼯・再利⽤し、 循環型の都市づくりを⽬指すプロジェクト。

これまでの都市空間を構成する要素の多くは、使い終わった後、廃棄や取り壊しをするのが一般的だった。

しかし、「Recapture」で目指すのは、再利用可能な素材を柔軟なデザインが可能な3Dプリンターを活用し加工することで、作り手がクリエイティビティを発揮しつつ、素材の面から環境負荷の低い都市を作ること。「Recapture」は「捉え直す」という意味を持つ。⼈間と⾃然の関係、素材の持つ可能性、都市のあり⽅ など、様々なものを捉え直すことを通じて、未来を創造するという思いを込めて名付けた。

■酢酸セルロースを使用した、自然に還る大型3DP家具

この家具は、酢酸セルロースをベースとした「NEQAS OCEAN」を素材とし、3Dプリンターによって作られた世界初の⼤型家具。

酢酸セルロースとは、木材繊維や綿花等、自然由来の資源を用いた素材。⾼い⽣分解性を持ち、使い終わった後は⼟に埋めたり、海中に沈めることで、⽔と⼆酸化炭素に分解される。酢酸セルロースの⾃然界における分解速度は1年から3年とされており、10年から100年か けて分解される汎⽤樹脂よりも 、早い循環サイクルでの利活⽤が可能だ。

本プロダクトに使用している 「NEQAS OCEAN」は、酢酸セルロースに可塑剤などを独自技術で配合した、熱成形可能なセルロース系バイオマス素材。可塑剤には、食品添加剤や宇宙食にも使用される自然、人体への影響のない素材を使用。

リモートワークの加速によるオフィス環境の変化や、ごみの最終処分場の残余容量数が限界を迎える中、都市環境の改善に貢献しうると考えられる。

今後は、⾞や船などのモビリティ、住宅やカフェ、商業施設などの建築物、橋やトンネルなどの建造物まで、都市を構成する要素を3Dプリンターと再利⽤可能素材を使って構築していくという。

先を見据えたプロジェクトに注目したい。

Recapture WEB:https://recapture.jp

(田原昌)