混迷する世界だからこそ、教養を深めたい。
■京大教授が教える本格的な講義
NHK文化センターでは、京都大学大学院教授の岡真理氏を講師に迎え、パレスチナ問題と、戦争によって難民となったアラブの人々が書いた文学についての講座を9月10日(金)から開講する。11月まで全6回のカリキュラムを、オンライン(Zoomウェビナー)で学べる。
パレスチナ問題はたびたびニュースで報道され、教科書にも載っている。しかし、多くの人にとってはまだまだなじみの薄い、なんだか難しそうな、遠い国のことでどこか自分とは関係がないこと、という認識に人もいるのではないだろうか。
この講座では、パレスチナ問題について、歴史上どういった経緯や事実があり、今日に至っているのか。今現在、パレスチナで一体何が起きているのか解説する。
そして紛争の結果、難民となった人々が書いた小説や詩を読むことを通して、パレスチナの人々が、どんな生活をし、何に喜び、苦しみ、困り、何を感じているのか。彼らの状況や心情を少しでも理解する糸口になればと願っている。
この講座の講師、岡真理氏は、文学者として、「戦争や殺戮や暴力を前に、文学は何をができるのか?」という根源的な問いに、真摯に向き合ってきた。氏は現在では、「文学に意味はある、できることがある」と確信している。
他者の人間性の否定や無関心が、暴力や殺戮を可能にしているのならば、文学を読み、知ること、そして想像力や共感・共苦する力を養うことが、それを防ぐ、ささやかな、しかし大切な一歩になると考えている。
■中東に関する作品を読み味わう
前半3回はいずれもガッサーン・カナファーニー氏の著作を扱う。9月10日(金)と24日(金)は人が難民になること、10月8日(金)は祖国ならびにパレスチナ人とは何かを考える。
10月22日(金)はパレスチナ人の詩人マフムード・ダルウィーシュ氏の詩、11月12日(金)はヨルダン在住のパレスチナ人男性作家、イブラーヒーム・ナスラッラー氏の小説を取り上げる。最終日の11月26日(金)はイスラエルにいるパレスチナ人を考える。
見逃し配信もあるので、時間を気にせず安心して受講できそうだ。
「現代アラブ文学とパレスチナ問題 入門」
講師:京都大学大学院 教授、アラブ文学者 岡真理
受講形態:オンライン
開催日時:第2・4金曜 19:00~20:30 (9/10、9/24、10/8、10/22、11/12、11/26)
受講料金:NHK文化センター会員・一般(入会不要) 19,800円(税込)
主催:NHK文化センター横浜ランドマーク教室
詳細:https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1235384.html
(GINGA)