見たことがない野生の動物の表情に会える。
■南米の湿原で暮らすカピバラたちの姿
東京ミッドタウンの「富士フイルムフォトサロン 東京」は、若手写真家に写真展を行う意義や楽しみを見出してもらい、写真文化の発展に繋げる為、2013年から年数回、若手写真家応援プロジェクト「写真家たちの新しい物語」を開催している。
「写真家たちの新しい物語」第29弾として、カピゴン松島写真展「カピバラ パンタナール湿原」展示している。
今回展示するのは、南米中央に位置するパンタナール湿原で暮らすカピバラたちの姿。この湿原は、ブラジル、ボリビア、パラグアイにまたがる世界最大級の湿地で生息生物は2,000種類以上にもなり、気候は雨季と乾季に分かれる。雨季には大量の雨によって川が増水、氾濫し大地を覆い尽くす一方、乾季になると一変して砂塵が舞い上がる大地に変貌。
そのような過酷な環境の中で生きるカピバラを、湿原の北の入り口の街「クイアバ」と南の入り口の街「カンポグランデ」を舞台に撮影した。愛らしくもあり、力強くもあるカピバラの姿を見ることができる。
■カピゴン松島氏が語るカピバラへの想い
写真家のカピゴン松島氏は、「カピバラ パンタナール湿原」に関してこう語っている。
「カピバラ」は、世界最大の齧歯(げっし)類。つまり、ネズミです。
この動物を知る多くの方々は、カピバラと聞けば「癒し」、「ゆっくり」、あるいは「温泉に浸かっている」というイメージを抱くのではないでしょうか。しかし、その姿はあくまで日本の動物園、水族館で飼育されている姿です。
彼らの生息地は、南米大陸ほぼ全土に及びます。そして、草食動物であるカピバラは、その多種多様な動物が生息する南米大陸の環境では食物連鎖の下位部に位置します。肉食動物であるジャガーなど天敵と遭遇する可能性もある、常に生と死が隣り合わせのなか、命がけで生き抜いているのです。
のんびりして見えるカピバラですが、根気よくジーッと観察していると実はとても『イキイキッ』とした活発な動物。本写真展を通して、日本では見ることのできないカピバラの姿から多くの幸せと元気を感じてもらえればと思います。
カピゴン松島(本名:松島なみき)
1991年生まれ。静岡県在住。
大学生だった2012年2月に、伊豆シャボテン動物公園でまるで人間のように温泉に浸かるカピバラに出会ったのをきっかけにその魅力にとりつかれ、カピバラに夢中の生活がスタート。動物園や水族館などの日本中の様々な施設だけでなく、生息地である南米各国へ訪れ、地域ごとの生息環境や景色と共にカピバラがどのような姿で暮らしているのか、という視点で『のほほん。のんびり。イキイキッ♪』をテーマに撮影している。
カピゴン松島氏のカメラアイが切り取った、生き生きとしたカピバラたちの姿。全紙サイズにプリントした30点の作品をリアルで見ると、ブラウザで見るのとは異なる印象を受けるだろう。
カピゴン松島写真展「カピバラ パンタナール湿原」
開催期間:8月20日(金)〜9月2日(木)
会場:FUJIFILM SQUARE内、富士フイルムフォトサロン 東京 スペース3
所在地:東京都港区赤坂9丁目7番3号(東京ミッドタウン・ウエスト)
入館料:無料
公式サイト:https://fujifilmsquare.jp/
(冨田格)
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