被災地から観光地まで様々なシーンで「人を包む」組立式ダンボールテント誕生

ダンボールが解決する社会課題。

■持続可能な消費と生産の促進

東洋製罐グループは、様々な課題に向き合うことでイノベーションを起こし、より豊かな社会の実現を目指す「OPEN UP! PROJECT」の一環で、組立式ダンボールテント「DAN DAN DOME」を提供開始。2021年秋頃より一般販売を開始する。

世界中の様々な分野において、SDGsの取り組みや環境負担が少ない再生可能資源への代替が進んでいる。東洋製罐グループも、環境性能が優れた商品・サービスの開発、持続可能な消費と生産の促進に努めて社会課題解決に取り組んでいる。

こうした社会課題に向き合っていくなかで、プライベート空間・居住空間を確保できる組立式テントを手掛ける村上祐資氏と出会った。

極地や被災地を訪問し、プラスチックダンボール製のテントで人々のコミュニケーション活性化や、居住空間の提供を行ってきた村上氏。しかし、重たいプラスチックダンボールの材料を運搬することの難しさ、環境に負担がかかる素材であることの課題が存在していた。

こうしたなか、グループ企業である日本トーカンパッケージのダンボール加工・製造技術と村上氏の知見と経験をかけ合わせ、ダンボールの新たな可能性を目指す”ダンボールアーキテクチャー”「DAN DAN DOME」の開発に取り組むこととなった。

■耐久性に優れたダンボール製の組立式テント

「DAN DAN DOME」は、軽くて丈夫な素材で耐久性に優れたダンボール製の組立式テント。東洋製罐グループの独自ラミネート技術を用いて高い耐水性を実現。ネジや釘を一切使用せずパーツを簡単にドッキングさせる利便性が特徴だ。

一時的な仮設住宅、フェス・アウトドア、極地での共有スペースなど、災害現場から観光地まで様々なシーンでの活用を想定している。

例えば、被災地では避難場所の共有スペースやプライベート空間として活用できる。周囲の人々と共同で作ることはコミュニケーションに繋がり、集団生活のストレスを和らげるといった利点もある。

室内の暗さを活かしたプラネタリウムや、「DAN DAN DOME」自体を小型化することでペット用ハウスにするなど、バリエーション豊かな活用方法を提案していく。

STANDARD

屋外の設置を想定した耐水モデル。丁寧に解体すれば再組み立ても可能。分別も容易なため資源ゴミ・一般ゴミとして廃棄できる。

LITE

一般ダンボールを構造材としており、公共施設、イベントスペース、避難所など屋内使用を想定。素材以外の構造・スペックは 「STANDARD」モデルと同じ。

ART

屋外使用に対応した「STANDARD」をベースにしたホワイトモデル。印刷やペイントに対応する白色の外壁テクスチャーは、アート創作、プロモーションメディアなど、新しい可能性を拓く。

東京2020大会選手村のダンボールベッドが大きな話題を呼んだが、日本のダンボールはその耐久性が高く評価されている。その技術を持続可能な社会に貢献するために生み出した「DAN DAN DOME」、近い将来、様々なシーンで目にする機会が増えそうだ。

公式サイト:https://dandandome.com/
OPEN UP! PROJECT:https://jp.open-up.tskg-hd.com/

(冨田格)