江戸の食文化、桜なべを食べたことがあるだろうか。
■「純国産馬」と「桜肉文化」を継承するため
浅草・吉原発祥の「桜なべ」。その秘伝の味と伝統を守り続けているのが「桜なべ 中江」だ。
「桜なべ中江」は明治三十八年に、当時大いに賑わっていた「吉原遊廓」の門前に開業。関東大震災で倒壊後に再建した店舗は、もうすぐ築100年を迎える。平成22年には、国の有形文化財に登録された。
創業当時、「吉原遊郭」の周辺には20軒を超える「桜なべ屋」があったが、現在では「桜なべ 専門店」として現存するのは唯一「桜なべ 中江」だけとなっている。
「桜なべ 中江」は創業以来、関東大震災、東京大空襲、石油危機、バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災など、数多の危機を乗り越え、東京の郷土料理である「桜なべ」の味を守り繋いできた
しかし、コロナ禍の影響は甚大で、昨年の緊急事態宣言発出以来売上は激減、存続の危機を迎えている。
有形文化財に登録された116年の歴史をもつ店舗と、明治から東京の郷土料理として繋いできた「桜肉文化」の継承、そして「純国産馬」にこだわる「桜なべ 中江」の専属牧場「このみ牧場」を守るために、キャンプファイヤーにてクラウドファンディングを開始した。
■プロジェクトで実現したいこと
東京の郷土料理として「桜なべ」「桜肉」をより多くの方に知ってもらい、ぜひ一度食して欲しい。吉原の文化や歴史により多くの人に興味を持ってもらい、一度観光に訪れて欲しい。唯一現存する「桜なべ屋」を専属の「このみ牧場」とともに次世代に残し、明治からの歴史と桜なべ文化を継承していきたい。
以上の3点が、「桜なべ 中江」がこのプロジェクトで実現したいこと考えていることだ。
7月29日からスタートしたクラウドファンディングは、8月31日まで実施。「桜なべ 中江」での食事券3タイプや、桜なべセットやオリジナル馬油化粧品の通信販売に加え、四代目と一緒にまわる吉原散策+食事や、吉原最後の料亭での食事と座敷遊び体験など、リターンも幅広く用意している。
初めて馬肉を食べると、そのクセのない美味しさに驚くこと確実。江戸から受け継がれた東京の桜なべ文化がコロナ禍で廃れないことを祈るばかりだ。
桜なべ 中江
所在地:東京都台東区日本堤1丁目9−2
公式サイト:https://gg5h300.gorp.jp/
クラウドファンディング:https://camp-fire.jp/projects/view/449652
(冨田格)