東京・丸ビルと新丸ビルで、横尾忠則さん・美美さん親子による巨大壁画が登場

東京駅丸の内側に、この夏だけ存在する巨大なアート。

■横尾忠則・横尾美美、親子競作の大壁画

オリンピック・パラリンピックが開催される東京を文化の面から盛り上げるため、多彩な文化プログラムを展開し、芸術文化都市東京の魅力を伝える取組「Tokyo Tokyo FESTIVAL」。

斬新で独創的な企画や、より多くの人々が参加できる企画を幅広く募り、「Tokyo Tokyo FESTIVAL」の中核を彩る事業として、東京都及び公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京が実施する「Tokyo Tokyo FESTIVALスペシャル13」。

シークレット企画として、7月17日(土)最後に発表されたプログラムが、東京・丸の内のランドマークである丸の内ビルディング・新丸の内ビルディングの壁面に、総面積7,752㎡の巨大壁画アート2作品を展示する「東京大壁画」だ。

1964年「東京オリンピック」のデザインチームとしても活躍し、長きにわたって日本の美術界を牽引してきた横尾忠則氏と、画家として活躍中の娘である横尾美美氏の親子初大規模競作となった。

■「火(ignis)」と「水(aqua)」

企画コンセプトは「宇宙 COSMO POWER」。

総面積3,371㎡の丸の内ビルディング壁面には「火(ignis)」をテーマとした横尾美美氏の作品が、総面積4,381㎡の新丸の内ビルディング壁面には「水(aqua)」をテーマとした横尾忠則氏の作品を9月5日(日)まで展示している。

展示初日となる7月17日(土)には東京駅丸の内駅前広場にて、完成披露発表会を実施。2ヶ月以上の施工期間を経て完成した2つの作品を前に、横尾忠則氏、横尾美美氏によって作品にサインを添えるセレモニーを開催した。

丸の内ビルディング・新丸の内ビルディングの壁面に作品を展示するにあたって、二人が手掛けた巨大な絵柄を両ビルの窓ガラスの大きさにあわせて、1枚あたり約0.7㎡から約3.9㎡のシートに分割した。

分割したシートを5月6日から2ヶ月以上かけて、1枚ずつガラス壁面に貼り付ける形で壁画を制作した。最終的に、丸の内ビルディングが798枚、新丸の内ビルディングが1,480枚、合計2,278枚のシートを用いている。

最後に横尾忠則氏と横尾美美氏のコメントを紹介しよう

横尾忠則氏

都市化が進み、風景が人工的になっていく中で、こういう形で自然を展示することで、改めて自然というものを認識してもらえれば。今回の制作は親子の競作になった。普段、親子同士で会話を交わすというのはあまりないのだが、こういう場所で作品を通して会話をできたというのも僕にとっては新しい経験だった。

横尾美美氏

制作をスタートしたのはコロナ禍の世界を予想もしていない段階だったが、完成した今は、両方の作品にその時と別の意味合いが出てきたと思う。当初炎のイメージは“パワフルさ”や“熱狂”だったが、今はその力が様々な困難に対する“浄化”や“癒し”の力になっている。ぜひこの場所を訪れ、立ち止まって上を見上げる時間を持ってもらいたい。

コロナ禍、そして東京2020大会、特別な夏の記憶としてこの巨大な壁画も心に刻まれそうだ。

東京大壁画

期間:~9月5日(日)まで
実施場所: 東京都千代田区丸の内2丁目
公式WEB:http://www.tokyodaihekiga.jp

(冨田格)