石川県・粟津温泉に誕生した温泉旅館は、色々な意味で新しい。
■H.I.S.が初めて手掛ける温泉旅館
H.I.S.ホテルホールディングスは、石川県・粟津温泉に「満天ノ 辻のや」を7月21日(水)に開業した。
「満天ノ 辻のや」は、広大な敷地に広がる庭園に粟津川が流れ、四季折々の花を楽しむことができる、粟津温泉の源泉を保有する温泉旅館。H.I.S.ホテルホールディングスが温泉旅館を手掛けるのは時初めてだ。
新規プロジェクト「ホテル・旅館再生支援」第一号として取得した「辻のや花の庄」。
地元石川県に愛された旅館の再生を実現するだけでなく、地域経済への貢献の一助になるべく、大浴場・客室・庭園・プールなどの改装・整備・清掃は石川県の企業に協力を仰いだ。また従業員の大半は、地元石川県から新規雇用した。
7月21日(水)の新規開業時には、新館・旧館からなる客室のうち、新館の客室のみで営業を開始、今年12月には旧館も含めた全客室での営業を開始する予定だ。
■「満天ノ 辻のや」の特長
庭園に粟津川が流れる広大な敷地の「満天ノ 辻のや」、庭園内の遊歩道を整備し、粟津温泉郷が一望できる展望台が利用できるようになった。また庭園には、整備を終えた25mプール、テニスコートもある。
温泉は、24時間あふれ続ける粟津温泉の源泉を保有、九谷焼作家二代・朝蔵五十吉氏が手掛けた陶壁を配した「大浴場」、壷湯など5つの風呂・岩盤浴の湯めぐりができる庭園大浴場「花廻湯」がある。
客室は、特別室・露天風呂付客室など全6タイプ35室、一部和室にベッドを導入し幅広い年齢層に人気の「和洋室」としての提供を開始。
料理長には、金沢兼六園「見城亭」で料理長をつとめた経験を持つ田中剛氏を起用。田中氏は、2019年より石川県調理師会理事に就任し、2020年全国技能連盟日本料理マイスターにも認定された。
田中氏の斬新なアイデアと和の伝統をかけあわせ、地元の食材をふんだんに使った和会席膳の朝食・夕食は、改装を終え230畳の広々とした空間に生まれ変わった食事処「寿楽」で提供。
■地域経済の発展に貢献
色とりどりの色浴衣を無料で選べる「浴衣バー」や、地元の「小松物産ネットワーク」と協力して小松産山里清流米こしひかり等を土産売り場で販売するなどのサービスに加えて、さまざまな宿泊プランの造成にも注力していくとのこと。
地元に愛された旅館を受け継いだH.I.S.ホテルホールディングスは、石川県内に既に展開している2つの「変なホテル」とあわせて、レジャー・ビジネスの両方のユーザー、またワーケーション需要にも対応していく。旅館の再生・発展だけでなく、石川県小松市・粟津温泉郷と連携して地域経済の発展に貢献してまいりたいと考えているそうだ。
コロナ禍により、旅行・観光業界が大打撃を受けているなかでのH.I.S.の「ホテル・旅館再生支援」という新たな取り組み。先の見えない暗いトンネルの中にいるような業界にとって、出口から差し込んでくる光のような希望の存在となっていくことを期待したい。
「満天ノ 辻のや」
所在地:石川県小松市湯上町い18
公式ホームページ:https://www.mantenno.com/
(冨田格)
※営業状況が記事の掲載時と異なる場合があります。ご利用時には公式HPなどで最新情報のご確認をお願いします。