アクティブな「ポール・スミス」2022年春夏新作は、アフターコロナの予兆か

ポール・スミスの新作は、心沸き立つ日々への予兆。

■アップビートなポジティブさと自然界とのつながり

2021年6月25日、日本時間25日午後11時、「フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会」にて公開した「ポール・スミス 2022年春夏メンズコレクション」は、アウトドアアドベンチャーの精神、アップビートなポジティブさ、自然界とのつながりを表現している。

有機的なカラーパレットは、温かみのあるオレンジの日の出の色彩から、鮮やかなスカイブルーやミッドナイトブラックまで、夜明けから夕暮れへの移り変わりを表現する。トーンオントーンでコーディネートしたルックが、これらの美しいサマーカラーを輝かせる。

トスカーナのテラコッタ、パテ(グレーがかったホワイト)、レッドクレイ(赤みがかった粘土色)などのアースカラーには、色鮮やかなレッドやアシッドイエローがアクセントカラーとして用いる。

大地からのインスピレーションを受けて、地、風、水、火の4つの要素を、自然なテクスチャーと大胆なカラーウォッシュをミックスした一連のフォトグラフィックプリントで表現する。

夏の訪れを告げるヒマワリを、プリントのモチーフ、インターシャニットのパターンに加え、ラスト(赤褐色)やクリームといった、ゆったりとしたリネンスーツなどのキーアイテムに刺繍としてあしらうことで、さまざまな形でコレクションに登場させる。

「軽さ」という中心的なテーマを高めている素材は、その重量や空間の中での動きを考慮し選んだ。シアーなナイロン素材を、衣服全体に使うほか、リネンスタイルにテクスチャーのレイヤーを加える。

デザインのディテールは、ボートの帆、特にジグザグのステッチパターンにインスピレーションを得ており、ストームカフなどの実用的なアウトドアウェアの要素を、洗練された印象で取り入れている。チェックの生地は、ポール・スミスのコレクションにおいて変わることのないテーマである、テーラーリングにおけるブランドのルーツを表している。

■ポール・スミス×「PORTER」デビュー

色鮮やかなシーズンのストライプはヴィンテージのテント生地の写真からインスピレーションを得ており、トップスやニットに加え、吉田カバンの「PORTER(ポーター)」とのコラボレーションである、ナイロンバッグのカプセルコレクションにあしらう。

2022年春夏にデビューする「PORTER」とのコラボレーションは、ポール・スミスのストライプに対する審美眼と、「PORTER」オリジナルのナイロンボンディング生地とが融合し、スモールサイズのショルダーバッグからダッフルバッグまで展開する。

「屋外での探検」というテーマにふさわしく、コレクションには陸と海での冒険に適したシューズも登場する。ゴアテックスのスニーカーは、地上での探検に求められる耐候性を備えており、スエードアッパーのデッキシューズは、海上での航海を連想させる。また、サングラスにはさりげなくクライミングロープを意識したストラップを付けている。

ショーのオリジナルミュージックは、パリの作曲家兼プロデューサー、ピエール・ルソーが制作した。

2022年はアフターコロナでアクティブに人生を楽しめるようになることを期待しつつ。このショーの模様は、ポール・スミスの公式サイトで見ることができる。

ポール・スミス公式サイト:https://www.paulsmith.co.jp/stories/ss22/mens-show

(冨田格)