フィリピンのアーティストは、コミック&アニメに何を見たか。
■アジアン・アーティスト×コミック&アニメ
戦後芸術のGUTAIや現代美術の第一線で活躍する作家から、気鋭の人気若手アーティストを抱えるアジアを代表するホワイトストーンギャラリーは、6月4日(金)よりフィリピン人作家のロナルド・ヴェンチューラの個展 『Comic Stripes(コミック・ストライプス)』を東京・銀座にて開催する。
国内のみならず東南アジア全域においてヴェンチューラの評価は極めて高く、多くのコレクターを惹きつけてやまない。
1973年マニラに生まれ、現在も彼の地で制作活動を続けるヴェンチューラは、油彩を中心としつつも様々なメディウムを使いこなし、2001年には彫刻作品がアート・マニラより『アーティスト・オブ・ザ・イヤー』に選出。
ヴェンチューラ作品の特徴は、多岐にわたる豊かなレイヤー(層)であり、そこには想像世界や現実、風刺、生活様式や路地の喧騒などが封じ込められている。
制作の背景にあるのは複雑な変遷を辿った母国・フィリピンの歴史であり、その一見無秩序な文化的混淆こそ、新たなアイデンティティとなるのだ。
同展では作家のアイデアが最も端的に表れた日本のアニメとコミックをフィーチャー。その表層は、あたかも皮膚のように現代人が抱える諸相を提示してくれることだろう。
ロナルド・ヴェンチューラ(Ronald Ventura)プロフィール
1973年フィリピンのマニラ生まれ。1993年サント・トマス大学を卒業(芸術学士)。 母校にて後進の育成に力を注ぐ傍ら、現在も同市に住んで制作を続ける。ヴェンチューラの絵画と彫刻は、その比喩的なモチーフの連鎖とともに、東南アジアの現代美術シーンで異彩を放っている。
ポップ&カラフルでいながら、意味深な世界をライブで見るチャンスだ。
ロナルド・ヴェンチューラ個展『Comic Stripes』
会期:6月4日(金)〜6月26日(土)
会場:ホワイトストーンギャラリー銀座新館
住所:東京都中央区銀座 6-4-16
ホワイトストーンギャラリー:www.online.whitestone-gallery.com
(冨田格)