コロナ禍が巡り合わせた、イタリア・ファッションと久留米絣。
■重要無形文化財指定の久留米絣
福岡の夏の風物詩・博多山笠の法被に使われていることでも有名な、福岡県の筑後地方の伝統の綿織物「久留米絣(くるめかすり)」。
伊予絣(愛媛県松山市)、備後絣(広島県福山市)とともに、「日本三大絣」の一つとしても知られているほか、久留米絣の伝統的な技法は、重要無形文化財にも指定されている。
その久留米絣とイタリア人の感性が融合して、「久留米絣を日常の中で楽しむ」をコンセプトにファッションアイテムをクリエイトする「Kimonissimo(キモニッシモ)」が誕生した。
■出会いのきっかけはコロナ禍
久留米絣と出会ったのはコロナ禍がきっかけだったと、Kimonissimoをプロデュースするディサント・ダニエレ氏は語る。
2020年のはじめ、世界は新型コロナウイルス感染症のパンデミックに直面しました。イタリアはその中でも最初に最も深刻なロックダウンが実施された国のうちの1つでした。当時はマスクが入手困難になり、イタリアの友人に日本から布製マスクをプレゼントするために素材を探していて「久留米絣」に出会いました。友人たちは久留米絣のマスクを「キモノマスク」と呼び、とても喜んでくれました。
それをきっかけに、久留米絣の歴史や特徴、使い心地、作り手の方の思いなどを知り、もっと多くの方に久留米絣を手に取ってもらえる機会を作れたらと思うようになりこのプロジェクト、Kimonissimoをはじめることにしました。Kimonissimoは、kimonoにイタリア語の最上級の「一番~」という意味の~issimoを合わせた造語です。
■イタリア×久留米絣のアイテム
久留米絣ネクタイ「Kimono Tie (キモノタイ)」
久留米絣の定番色には、紺や黒、グレー系などのダーク色、そして定番柄として様々な風合いの無地や縞などが豊富にあり、スーツスタイルにとてもよく合う。
また、久留米絣の綿織物ならではの素朴な風合いのものや、ネップ(木綿糸の粒)が入った生地などは、ボタンダウンシャツなどの少しカジュアル感がでるスタイルや、クールビズのスタイルにもぴったりだ。
久留米絣ハンカチーフ「Kimono Chief (キモノチーフ)」
コロナ感染防止のため、手洗い習慣は欠かせないものになっており、ハンカチの持ち歩きは必須となっている。
Kimono Chief (キモノチーフ)は表面に久留米絣を、反対側に福岡県八女郡広川町で作られている抗菌消臭木綿布の「ノン臭Ⓡ」を使用して作った。綿100%生地を表裏で二重に使用、吸水性にも優れており、さらっとした使い心地が特徴だ。
着物を着る機会が減った今だからこそ、日本の伝統織物をアップデートしたアイテムを生活に取り入れたいものだ。
公式サイト:https://shop.kimonissimo.com/
※価格は税込
(冨田格)