停電しても大丈夫、携帯電話基地局にLPガスを継続的に供給する体制を構築

元来、地震からは逃れられない日本。さらに、気候変動による大規模な自然災害の発生頻度も上がってきている。

災害に遭う可能性を常に意識しながら生活する私たちにとって、心強いプロジェクトが発表された。

■レジリエントな通信ネットワークの構築

災害に遭った時に困る大きな問題の一つが、停電によって携帯電話が使えなくなり、誰とも連絡がつかなくなることだ。

家族や大切な人、友人、職場の人などに自分が無事でいることを伝えたい、または相手の無事を確認したい。被災した時にそう考えるのは、当たり前のことだ。

しかし、停電が生じることで携帯電話網が使用不可能になってしまったら、途方にくれるしかないだろう。

そんな状況を回避すべく、伊藤忠エネクスとソフトバンクが災害に強いレジリエントな通信ネットワークの構築に向けて、協業を開始したことを発表した。

■通信ネットワークはライフラインである

ソフトバンクは、大型台風や豪雨といった異常気象や地震などによる停電発生時に備えて、耐震性・冗長性・無停電運転を強化したネットワークセンターや、停電が発生しても24時間以上稼働する携帯電話基地局の設置など、設備の耐災性強化に取り組んでいる。

このたび、これらの対策に加えて、災害や停電発生時にライフラインとして重要な役割を担う通信設備のレジリエンス(災害への回復力)強化を目的に、全国の特定の携帯電話基地局に非常用LPガス発電機の設置を開始した。

LPガス発電機は停電発生時に72時間以上稼働可能で、従来の発電機と比較しても燃費効率が良く、災害に強いのが特長だ。

ソフトバンクは「情報革命で人々を幸せに」という経営理念のもと、通信ネットワークはライフラインであるという考えに基づき、どんなときでも安定的につながる質の高い社会ネットワークの構築を推進していく。

■安定的かつ永続的なエネルギー供給

伊藤忠エネクスは、全国のホームライフグループ各社と共に、LPガス発電機向けの燃料として、LPガスを優先的に供給・配送する体制を構築した。

今回の協業によって、停電時も非常用LPガス発電機が設置された携帯電話基地局に、LPガスを継続的に供給することが可能になり、停電による通信障害の発生を防止することができる。

伊藤忠エネクスグループは、経営理念「社会とくらしのパートナー」のもと、今後も安定的かつ継続的なエネルギー供給につながる取り組みを積極的に行い、持続可能な社会への貢献を目指していく。

万が一、被災してしまった時にでも、必要な人とスムーズに連絡が取れるのはありがたい。この取り組みが大きく広がっていくことに期待したい。

伊藤忠エネクスの災害対策:https://www.itcenex.com/ja/csr/social/disaster-prevention/index.html
ソフトバンクの災害対策:https://www.softbank.jp/corp/csr/reconstruct/restoration/

(冨田格)