熊本豪雨で水に浸かった「くま川鉄道」記念きっぷが切り絵アートに変身

2020年の夏、九州の広い範囲を襲った熊本豪雨。「くま川鉄道」の走る人吉・球磨地方では、球磨川やその支流で氾濫が生じ、氾濫流による建物・橋梁の破壊・流失、および浸水による甚大な被害が生じた。

くま川鉄道も被害を受け、登録有形文化財でもあったくま川鉄道球磨川第四橋梁も流出し、発災から150日が過ぎたいまなお、全線において運休状態が続いている。

今回、熊本県熊本市のクリエイティブ・エージェンシー「BRIDGE KUMAMOTO」では、切り絵アート「田園シンフォニーをもう一度」が発売。

同商品は、熊本県南部の人吉・球磨を走るローカル鉄道「くま川鉄道」と、一般社団法人BRIDGE KUMAMOTOがコラボしたアイテム。

2020年7月に発生した熊本豪雨で水に浸かってしまった、くま川鉄道の記念きっぷをアップサイクルし、水没きっぷを切り絵アートにしたものだ。

■車両もきっぷも、すべてが水没してしまった「くま川鉄道」

全線において運休状態が続いている「くま川鉄道」

浸水した観光列車「田園シンフォニー」 photo by 佐藤かつあき

保有車両も5両全てが浸水。観光列車「田園シンフォニー」は、JR九州の寝台列車「ななつ星in九州」を手掛けた水戸岡鋭治氏がデザインした車両を用いた観光列車だ。

事務所や駅舎も水没し、くま川鉄道の記念きっぷも水に浸かってしまった。

■3つの思いがこもった作品

浸水し、ふやけたきっぷ photo by 佐藤かつあき

BRIDGE KUMAMOTOは、3つのRE「RETURN:被災地に還元=寄付」「REMAKE:被災が原因で捨てられるモノをアップサイクル」「REMIND:災害を忘れない」という考え方をもとに、水に浸かってしまったくま川鉄道の記念きっぷをアップサイクルし、水没きっぷを切り絵アートに。

切り絵は、切り絵作家の渡邊 義紘(わたなべ・よしひろ)氏の手作業によるもの。額縁は熊本県中心部に位置する甲佐町の障がい者支援センター「あゆの里」で制作したオリジナル品となる。

販売価格11,000円(税込)のうち、5,000円がくま川鉄道に寄付されるという。

購入によって、くま川鉄道の復興支援だけでなく、障がいを持つ方々の働く機会を担保することにもつながるこのアイテム。現在予約販売中で、2021年2月1日から発送される。

自宅時間が増えたこの機会に、こんなユニークなアートをインテリアに取り入れてみては。

オンラインショップ
URL:https://bridgekuma.thebase.in/items/37897521

(hachi)