東京都庭園美術館が「20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーションは可能か?」展を開催する。
本展は多摩美術大学の企画協力により、竹尾のポスターコレクションから構成主義のポスターを厳選し一堂に公開する。
■ヨーロッパのビジュアルデザインを振り返る試み
1910~20年代のヨーロッパで生じ、芸術・デザインに革新をもたらした“構成主義”。主にビジュアルデザインの領域において、図像と文字を幾何学的・抽象的な融和のもとに構成しようとする表現様式だ。
エル・リシツキー、ヤン・チヒョルト、マックス・ビル、ヨゼフ・ミューラー゠ブロックマンなど、数々のアーティスト/デザイナーが時代を超えて共有したこの様式は、広くビジュアルデザインの可能性を拡張する試みとして発展を重ね、今日のビジュアルデザインの基盤を形成している。
■3章構成でポスターの歴史をたどる
本展は全体で以下の3章からなり、構成的ポスターが20世紀を通じて遂げた発展と変容のプロセスを130点のポスターを通じて展示。
●「図像と文字の幾何学(15作家・52点)」
戦後のビジュアルコミュニケーションのあり方を導く歴史的役割を果たしたスイス派、ウルム派に代表される構成的ポスター=インターナショナル・スタイルの継承と展開を振り返る。
●「歴史的ダイナミズム(11作家・18点)」
インターナショナル・スタイルのルーツともいうべき、第二次世界大戦以前に登場したロシア構成主義、バウハウス、ニュータイポグラフィを象徴するポスターを展示する。
●「コミュニケーションのありか(11作家・60点)」
1970年代以降、インターナショナル・スタイルを背景に登場したニュー・ウェイヴ、ポストモダンデザインと称される潮流を、11名のデザイナー/60点のポスターを通じてたどる。
1920年代の勃興から90年代のコンピュータグラフィックスに至るまで、構成的ポスターはさまざまなスタイルに変化を遂げてきた。
約100年の歴史を辿ることで、現代のビジュアルデザイン文化の源流が見えてくるだろう。
・基本情報
20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーションは可能か?
2021年1月30日(土)-4月11日(日)
東京都庭園美術館 本館+新館
※開館時間、休館日については公式サイトにて確認を
東京都庭園美術館:https://www.teien-art-museum.ne.jp/
(TF)