京都の新ランドマークを手掛けた、街に根差したデザインファームGK京都

京都・河原町御池通りの交差点に11月にオープンした京都信用金庫の初の地域密着型コラボレーション施設「QUESTION」が話題となっている。

構想段階より参画し、同ビル全体の空間デザインを担当したGK京都を紹介しよう。

QUESTION外観(撮影:GK京都・GK設計)

■多目的コラボレーション施設「QUESTION」

「QUESTION」は、コワーキングスペースと金融施設(京都信用金庫河原町支店)を備えた、地上8階~地下1階の大きな窓が象徴的な、開放感あふれる多目的コラボレーション施設。

みんなの「?」が集まる場所として、世代を超え、学生、起業家、住民などさまざまな人が集い、地域の社会課題の解決につなげる場となることを目指している。

QUESTION内観(撮影:GK京都・GK設計)

■「QUESTION」のデザインのこだわり

ガラス張りのQUESTIONの3、4階には、外に向かって大階段(コミュニティステップス)を配置。これは、内外の活動が外を歩く人からも、中で活動する人からも見通すことができる、地域とのつながりを意識した空間とデザインだ。

とりわけ、夜になると、人と人が集う「場」の姿がくっきりと浮かび上がり、街の景観と見事に調和している。

QUESTION内観(撮影:GK京都・GK設計)

また、このコミュニティステップスは、例年7月に開催される京都三大祭りである祇園祭で、山鉾巡行の最大の見どころとなる「辻回し」を真正面に見下ろせ、現代における最高の桟敷席となっている。

■街に根差したデザインファーム

GK京都は、御池通の街路景観整備の一大開発プロジェクトである「御池通シンボルロード」にも参画している。

開発コンセプト「京都らしさ」を具体化するためのキーワード「みち・にわ・ぶたい」に沿い、全体の設計デザインを担当。

たとえば、歩行者用の通り名のサイン柱「辻標(つじしるべ)」は、4か国語で表記された通りの名前、ネームの由来を記載、「人にやさしい通り」をデザインで具現化した。

QUESTION内観(撮影:GK京都・GK設計)

QUESTIONは、「御池通シンボルロード」の重要な辻(交差点)に位置しており、構想段階においてこれらを見据えながらデザインした。QUESTIONでも、「人」が主体であることが、コミュニティステップスをはじめ、ビルのデザインの随所よりうかがい知ることができる。

2022年に創業50周年を迎えるGK京都。

京都に根差しているデザインファームだからこそ、街の歴史と意味、そこに暮らす人々の繋がりや想いを踏まえて構想を進められる。GK京都が今後参画するプロジェクトにも期待が持てそうだ。

GK京都:https://www.gk-kyoto.com/

(冨田格)