ナショナリズムの起源や歴史的変遷がわかる作品、近代日本のナショナリズムを考察した作品、日本文学に描かれたナショナリズムの姿……。4人の論客が「ナショナリズムを考えるための一冊」を持ち寄り、その内容と今日的意義を語る。
■かつて「21世紀には滅んでいる」といわれたナショナリズム
世界ではいまでも、自国ファーストや排外主義を唱える人びとがその存在を誇示している。さらに、コロナ禍が世界中を襲っている2020年には、ロックダウンや渡航禁止、ワクチンや治療薬の開発競争など、その背後に「ナショナリズム」を感じる事象が頻出。
今年の元旦に放送され、話題となった特別番組「100分deナショナリズム」。4人の論客がナショナリズムを読み解くための入り口となる名著を持ち寄り、ナショナリズムの起源や歴史、日本人のなかにあるナショナリズムの在りようについて議論した。
大澤真幸氏が『想像の共同体』(ベネディクト・アンダーソン著)、島田雅彦氏が『君主論』(マキャベリ著)、中島岳志氏が『昭和維新試論』(橋川文三著)、ヤマザキマリ氏が『方舟さくら丸』(安部公房著)について、その内容と読みどころ、「いまなぜ読むべきなのか」という今日的意義を熱く語った。
この番組をベースに追加取材をして編んだ本書は、これら4つの作品を通して、ナショナリズムとは何かを明らかにし、「国民・国家」とリアルな「わたし」との関係を考えるきっかけを提示する。
■商品情報
今だからこそ、読んでみたい。
タイトル:『別冊100分de名著 ナショナリズム』
著者:大澤真幸(社会学者)、島田雅彦(作家、法政大学教授)、中島岳志(政治学者、東京工業大学教授)、ヤマザキマリ(漫画家)