南仏プロヴァンスの街・ニームは、ローマ時代の遺跡が多く残されている場所。現代的な建物と、今の人々の生活の中に溶け込んで、今でも生き生きとして見える。
そんなニームの中心部を今でも守るかのように、ローマ帝国時代の城壁の一部が残っている。景色の良い場所だというので、訪れてみた。
ニームの駅から北西方面に向かうと、小高い丘になっている「Mont Cavalier(カヴァリエの丘)」につく。ここまでのニームの街並みは平坦な土地ばかりだったので、このカヴァリエの丘だけが高い場所となる。
この丘の頂上に建つのが「Tour Magne(マーニュ塔)」。
紀元15年、ニームの街を囲むようにして築かれた城壁の一部であり、街や城外を見下ろすことのできる見張り台として機能していたものと言われる。
さっそく登ってみよう。塔の内側は意外にも広い空間になっており、後世に作られた螺旋階段を登っていく。
結構な高さがあるので疲れるかもしれないが、良い景色を見るために頑張ろう。
頂上に到達すると外に出られる。そこには心地の良い、最高の景色が広がっていた!
ニームの街並み、城外の広々とした平野、そして駅方面には古代競技場までが見える。
高い場所があまりないニームにおいて、ここがローマ帝国時代の重要な場所であったことは容易に想像できる眺めだ。
少々歩くことになるが、それでもこの景色を見るのをお勧めしたい。
街のあちこちに残された遺跡が、ローマ帝国時代の街並みを見ているかのような、歴史好きにはたまらない光景が広がっている。
※2020年4月現在、欧州各国では出入国の制限をしています。旅行の際は必ずご確認を。
(田原昌)