飲食店の8割が売上減。売上維持のために「テイクアウト」を開始・強化する店は半数以上

緊急事態措置や外出自粛が広まる中、飲食店はどのような影響を受け、何を考えているのだろうか。

飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」を運営するシンクロ・フードは、テイクアウト・デリバリーの対応状況に関するアンケート調査を実施した。

調査概要

調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)/回答数:514名/調査期間: 202043日~202046日/調査方法:インターネット調査
本データは緊急事態宣言が発令される以前(43日~46日の期間)に集計

新型コロナウイルスの影響が露呈。飲食店の8割が「前年同月より売上が減った」と回答

売上への影響調査のため、今年3月と昨年3月の売上を比較する質問を実施。「前年同月より売上が10%減った(8.2%)」「20%減った(16.5%)」「30%減った(20.8%)」「40%減った(13%)」「50%減った(11.7%)」「60%以上減った(11.3%)」約8割の飲食店の売上が減少していることがわかった。

現在の営業状態については「普段通り営業している(49%)」が最も多かったものの、次いで「営業時間を短縮した(30.9%)」「休業日を増やした(18.1%)」「営業自粛を検討している(17.7%)」「営業自粛中(10.5%)」「閉業を検討している(5.3%)」「閉業した(1.2%)」という回答が得られ、閉業を考える飲食店も少なくないことがわかった。

52.7%の店舗が「テイクアウト販売を始める・または強化する」と回答

売上が減少する中で、店舗運営を継続するにはどうしたらいいのか、現在検討していることを複数回答で聞いたところ「融資・補助金・助成金を活用する」が最も多く54.7%。次いで「テイクアウト販売を始める・または強化する」が52.7%、「営業時間の短縮」が30.5%という結果が得られた。

テイクアウト・デリバリーを活用する店舗が増加

テイクアウト販売を行っているか聞いたところ「行っている(51.4%)」に続き、「行っていないが準備を進めている(12.5%)」「行っていないが検討中(19.6%)」という回答が得られ、多くの店舗がテイクアウトに前向きであることがわかる。

自由回答にて「テイクアウト客を集客するために行った施策のうち効果が得られたこと、工夫したこと」を聞いたところ、さまざまな意見が寄せられた。

「来店したお客様へテイクアウトの宣伝を行ったことで、口コミでテイクアウトの利用客が増えました」 (兵庫県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

FacebookInstagramでの告知を強化。また、Googleマイビジネスで新着情報を告知しています」(神奈川県/カフェ/1店舗)

「宅飲み用のおつまみセットを販売しています」(神奈川県/その他/35店舗)

「割引券つきのチラシをテイクアウト容器に添付し、イートイン客の集客にも役立てています」(東京都/アジア料理/1店舗)

一方、同様にデリバリー販売を行っているか聞いたところ、「行っている」が19.1%、「行っていないが準備を進めている」が11.5%「行っていないが検討中」が25.7%とこちらも前向きな回答が多く得られた。

自由回答にて「テイクアウト客を集客するために行った施策のうち効果が得られたこと、工夫したこと」を聞いたところ、こちらもさまざまな回答が得られた。

「複数のデリバリーサービスに手を出さずに絞ったことで、オーダーが集中するように感じる。また競合他店より少し割引をした」 (東京都/テイクアウト/1店舗)

SNSでの情報発信が地域のお客様を集客するのに1番影響があると思う。あとは地域の新聞、地方紙などで告知する」 (千葉県/和食/2店舗)

飲食店が苦境に立たされながらもテイクアウト販売やデリバリー販売を通じて工夫していることがわかった。未曾有の事態に翻弄されながらも努力する身近な飲食店を、テイクアウトやデリバリーを利用して美味しく応援していきたい。

問合せ先 飲食店リサーチhttps://www.inshokuten.com/research/company/

(冨田格)