近年、「昆虫食」に高い関心が寄せられている。
そんななか、世界初のクラフトビール「コオロギビール/Cricket Dark Ale」が発売される。
名前の通り、コオロギを原材料に開発したビールだ。
つくったのは、コオロギラーメンなどで知られる、昆虫食の魅力を探究する『ANTCICADA(アントシカダ)』と岩手県遠野市でクラフトビールを製造する『遠野醸造』、共同開発。そして、このコオロギビールが、渋谷パルコ『COMINGSOON』で3月15日(日)〜18日(水)の期間限定で販売される。
■コオロギビールの特徴
原材料のコオロギは国産のフタホシコオロギを丁寧に焙煎し、ローストモルトを麦汁に加え、コオロギの香りとうま味を存分に引き出した。
原料のフタホシコオロギは、福島県にあるファームにて、室温・湿度管理を徹底した最適な環境下で、社食のロスで出る野菜などを餌に育てられている。収穫後も、丁寧な洗浄と熱処理を加えているため、安心安全に食べることができる。
品質管理が徹底された「太陽グリーンエナジー株式会社」のコオロギ
そして、コーヒー、カカオ、カモミールのような香りが先行し、口に含むと苦味とコク、キャラメルの香り。うま味の余韻が長く続く。ビールの持つ香ばしい香りとゆったりとした苦味が、ビターチョコやコーヒーナッツ、ドライフルーツ等とよく合う。また、開発者曰く、メキシコの燻製唐辛子「チポトレ」を使った料理との相性は抜群らしい。
ゲテモノや害虫など悪いイメージが先行しがちな昆虫だが、近年では、栄養価の高さに加え、環境負荷が低く、持続可能性が高い食材としても世界的な注目が集まってる。そして何より、豊かな個性や滋味深い風味など、食材としての魅力に溢れていると「ANTCICADA」のメンバーはいう。
今後は、ビール作りで残る「ビール粕を餌にしたコオロギ」を使用した循環型ビールの開発にも取り組んでいくという。
7年前の2013年に国連食糧農業機関(FAO)が世界の食糧危機の解決に、栄養価が高い昆虫類の活用を推奨する報告書を発表した。近い将来、昆虫が一般的な食材となる日がくるのかもしれない。この機会に、コオロギビールを味わってみるのはいかがだろう。
コオロギビール POP-UP STAND by ANTCICADA
会期:2020年3月15日(日)〜3月18日(水)
場所:COMINGSOON 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ1F
詳細はこちら:https://comingsoon.tokyo/cricketbeer/
(Y.FUKADA)