織田信長に会える!京都・大徳寺「総見院」特別公開中

この季節、京都市内で開催される「京の冬の旅」。普段は非公開の文化財が特別に公開されるという、貴重な期間だ。

今年は即位の儀と大河ドラマに合わせて、「京の御大礼 雅の御所文化」「明智光秀と戦国の英傑たち」という2本がテーマとなっている。

今回紹介するのは、一休宗純や千利休で有名な「大徳寺(だいとくじ)」。洛北の紫野にある巨大な禅寺だ。豊臣秀吉をはじめとする戦国大名たちが多くの塔頭を建て、前田家や三好家などの菩提寺もある。

今宮神社方面からのんびりと歩いていると、いつの間にか境内に入っていた。車も通らず、松や竹などの緑を楽しみながら散歩できるのがいい。

この辺りにあるのが、CMでも話題になった「高桐院」。こちらは常時公開となっている。

そこからさらに進んでいくと、普段は非公開の「総見院(そうけんいん)」の扉が開いていた。今回の「京の冬の旅」で、期間限定で特別に公開されている塔頭だ。

この「総見院」は、織田信長が本能寺の変で倒れた後、秀吉が壮大な葬儀を催し、ここに総見院を建てて菩提寺としたものである。

「総見院」という名前は、信長の戒名からつけたもの。「総てを見通す」という、時代の先を走っていた信長らしい戒名だ。

今回、この総見院では本堂にある信長像や、3つの茶室、織田家の墓所、そして秀吉や加藤清正ゆかりの井戸などを見学することが可能。

総見院に関する説明は、係の人が丁寧に説明してくれるのでまずは本堂で話を聞く。重要文化財である木造の信長像は思っていたよりも大きく、生前の姿を良く表しているという貴重なもの。秀吉が作らせ「よく似ている」と称賛したという。

奥には、表千家ゆかりの3つの茶室が並ぶ。

巨大な茶室「龐庵(ほうあん)」、「寿庵(じゅあん)」そして「香雲軒(こううんけん)」だ。

信長の墓所に行く途中には、加藤清正による巨大な石をくり抜いた井戸や、秀吉が愛したという侘助(椿)がある。

この侘助は最も古い品種で、大変貴重なもの。椿とは思えないほど太い幹が、その歴史を物語っている。

普段は非公開の総見院。歴史好きなら、是非このチャンスに見学したい。

公開期間:2020年3月18日(水)まで
※公開期間中、拝観休止日や公開時間が異なる日もあるので注意

(田原昌)