悠久の歴史を刻む「越後一宮 彌彦神社」を訪ねて

越後平野 弥彦山の麓に建つ「彌彦神社」。

二千四百年以上の歴史があり、万葉集にも詠われる彌彦神社は新潟県屈指のパワースポットで、地元では古くから「おやひこさま」と呼ばれ親しまれている。

弥彦山を御神体とし、御祭神は「天香山命(アメノカゴヤマノミコト)」。神武天皇の命を受け、住民に海水から塩をつくる技術、漁、稲作など農耕術などの基礎を教えられたと伝わる。

神社周辺には無料の駐車場がいくつもあるが、神社脇駐車場は混み合うので、5分ほどの距離にある村営駐車場をお勧め。

門前に土産物店や喫茶店が並ぶので散策がてら少し離れた駐車場に停めても苦ではない。

朱塗りの一の鳥居は緑濃い樹々を背景に一層鮮やかに感じられる。

 

一の鳥居をくぐり、境内を流れる御手洗川(みたらいがわ)にかかる石橋を渡る。その際、左手に屋根付きの朱塗りの橋が見える。これは神様がお渡りになる「玉の橋」。緑の中に静かに佇む様子が神秘的。

 

手水舎を過ぎ、二の鳥居まで来ると昭和15(1940)年に建立された随神門が見えてくる。

 

門内の左右には紀伊国熊野から伊夜日子大神様に随行し、大神様の宮居を警護する長気(おさげ)、長邊(おさべ)の兄弟神が祀られている。

随神門をくぐると弥彦山を背景にいよいよ本殿・拝殿が現れる。

 

弥彦山の雄大さと本殿の厳かな佇まいからパワーがみなぎってくるよう。弥彦神社は二礼四拍手一礼でお参りするのが習わしだそう。

 

拝殿から鼓楼のある右手へ出ると、摂社・末社が並ぶ。それぞれに違う御利益があるとされる。境内には吉凶を占う「火の玉石(重軽の石)」もある。願い事を念じながら持ち上げてみては。

 

「万葉の道」には万葉集に歌われている植物のうち弥彦山に自生しているものが集められて、弥彦山山頂へ向かうロープウェイ山麓駅へと続いている。

 

山頂へはロープウェイのほか、弥彦山スカイラインを通っていくことができる。

 

日本海と越後平野が見渡せる山頂もぜひ訪れたい場所だ。

 

所在地:新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2887-2

 

(小椚萌香)