京都・三千院の「初午大根焚き」で無病息災、開運招福!

「京都大原三千院」と歌われて有名な、三千院で行われる年中行事「初午大根焚き(はつうまだいこんだき)」。

毎年2月の初午にあわせて開催される行事で、だいたい2月11日の前後4日間が目安。2020年の「初午大根焚き」は2月8日〜11日だった。

地下鉄烏丸線の終点、国際会館駅で下車してバスに乗る(京都駅からもバスの運行あり)。すぐに山の中に入っていき、バスが左右に揺られて山登りに来た気分。今日は雪も降っていて、白くなった珍しい景色も見られた。

まずは三千院の書院を見学。庭園が美しいことで有名なこの寺で、雪をかぶった白い姿が見られて大満足。

もちろん寒いが、雪のおかげでしんと静まった庭に見惚れる。

客殿や宸殿の見学を終えたらもう一度外に出て、往生極楽院と庭の木々、そして雪のコントラストを堪能。この有清園(ゆうせいえん)は紅葉で非常に有名なスポットだが、白い姿はまた格別。

庭を堪能したら、雪の中にひっそりと隠れている御地蔵さんを見つつ階段を上がって金色不動堂へと向かう。「初午大根焚き」の幟がはためいていて、思わず心が踊る。

「初午大根焚き」とは、立春を過ぎて初めての午(うま)の日に行われるもので、金色不動明王の御加護と御利益が頂けるように祈祷された熱々の大根が振る舞われる。この大根は、地元・大原の畑で有機農法で栽培されたものだそうだ。

階段を上がって不動堂に着くと、広場では大原女の姿をした人たちが大根を振る舞っていた。

逸る気持ちを抑えて、まずはお参り。すっきりとした気持ちになって、再び広場に向かった。

大きな釜にたくさんの大根!

その色、匂いがたまらなく美味しそうだ。まして今日は雪が降っていて寒いので、あがる湯気が心を温めてくれる。

分厚く切られた大根を大きめのお椀にひとつ頂き、かぶりつく。やわらかな歯応えに、じゅわっと滲み出てくる出汁の美味しさ。

心も身体も温まり、幸せな気分になる。これで無病息災、開運招福!きっと良い一年になるだろう。

(田原昌)