100年の時を越えた今なお現役の「クラシックホテル」。その魅力を知る企画展開催

近年、日本各地ではホテルの建設ラッシュが続いている。一方で、明治期の近代産業発展とともに黎明期を迎え、100年の時を越えた今なお現役の「クラシックホテル」。その魅力を改めて知る企画展が開催される。

■クラシックホテルの役割
開国したばかりの日本において外交の場としても重宝され、その後も時代のニーズに応じて文化的な役割、建築的な機能を変えていくことで、今日の日本のサービスの礎を築き、古くから続く老舗旅館や温泉宿にも大きな影響を与えてきた。

寺田倉庫が運営する「建築倉庫ミュージアム」では、ホテルの原点とでもいうべき日本を代表する12のクラシックホテルを中心に、その変遷を辿るとともに、建築空間に積み重なる”ものがたり”に焦点を当てる。

■展示協力ホテル
日光金谷ホテル ・富士屋ホテル・万平ホテル ・奈良ホテル・東京ステーションホテル ・ホテルニューグランド ・蒲郡クラシックホテル ・リーガロイヤルホテル(大阪) ・雲仙観光ホテル ・山の上ホテル ・京都ホテルオークラ ・学士会館

【本展の見どころ】
■日本を代表する12のクラシックホテルが集結
開国期である1870年代〜現在にいたるまで、今もなお進化し続けている12のクラシックホテルを中心に、クラシックホテルの変遷とこれからを、各ホテルに残る建築図面や写真など貴重な資料の数々から問いかける。

■創業者の強い想いと建築空間との関連性に迫る展示
クラシックホテルには、建築、室内装飾など随所に、創業者の込めた想いが色濃く反映されている。創業者の想いを建築家がいかに建築空間に落とし込んだか、音声・映像・写真・家具の展示からその関連性に迫る。

■建築家への撮りおろしインタビュー映像を初公開
建築家 吉田五十八のもとでホテル設計に携わっていた今里 隆氏をはじめ、竣工時に実務担当をしていた建築家の撮りおろしインタビュー映像を公開。

■長い年月を越え空間を演出する家具の数々
民芸運動など、日本とも関わりの深い陶芸家 バーナード・リーチの着想を基に生まれたバー空間に設置される椅子など、長年ホテル空間を演出してきた家具の実物を特別展示。

■クラシックホテルの新たな魅力に迫る撮りおろし写真を公開
今回、本展のために各ホテルの最新写真を撮りおろし。100年の時を越えて今なお現役稼働するクラシックホテルの息吹を感じて、新たな魅力が発見できる。

■会場内でホテルの香りを体験
2020年3月20日(金・祝)〜22日(日)の期間は、展示室内でアーティスト・和泉 侃が手掛ける、リーガロイヤルホテル内で実際に使用されている香りが体験できる。

贅を尽くし、日本の顔として歴史を刻んできたクラシックホテルを見直してみよう。

会期:2020年 2月8日(土)〜 5月31日(日)
会場:建築倉庫ミュージアム 展示室A(東京都品川区東品川 2-6-10)
開館時間 :火〜日 11 時〜19 時、月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
入場料 :一般 3,100 円 ※オンラインチケット制
URL:https://archi-depot.com/exhibition/classic-hotel

(田原昌)