昆虫のあまり知られていない生態ネタを集めた『泣けるぜ!昆虫』。
子供向けと思いきや、読んでいくうちに大人でも、思わず涙せずにはいられない気持ちになってしまう1冊だ。。
■「クロシジミ」は起きるのがちょっとおそくなると食べられちゃう!
「クロシジミ」は、アリとの共生で有名なシジミチョウ。
幼虫はクロオオアリの巣で育てられ、食べものはアリからもらう。
クロシジミの幼虫はアリが好きな蜜のようなものを出しているので、アリとなかよくくらしていけるのだ。
しかし、羽化した成虫は蜜が出ない。だから羽化した成虫はアリがあまり動けない朝早く、必死になって巣の外に出て、草などにのぼってはねをのばす。
だが、寝坊したものは…(続きは『泣けるぜ!昆虫』32ページを!)
他にもけんかに勝っても、メスがほかのオスに取られてしまう「カブトムシ」、交尾のあともメスを閉じこめられてしまう「ノコギリクワガタ」など、「生態が泣ける(笑える!?)昆虫」が盛りだくさんで全55種登場!
◇人間との関係で泣いている昆虫!
散弾銃でうたれた「アレクサンドラトリバネアゲハ」。
横断歩道をわたっていても、自動車にひかれてしまう「ミクラミヤマクワガタ」や、ウシの肉をおいしくするためにウシに食べさせている配合飼料のせいで、おいしいウシのうんちを食べられなくなった「ダイコクコガネ」など、人間のせいで悲しい生活を歩む昆虫たちの話、計18話を掲載。
◇人間の勝手で、泣いている昆虫がいる!
外来種といわれているのに、もといたところがわからない「アオマツムシ」。
わけのわからない種名をつけられた「ツシマカブリモドキ」、
こぶがあるのかないのかわからない種名の「コブナシコブスジコガネ」、昔は人気者だったのに今はきらわれている「クマゼミ」など、
人間の勝手で嫌われたり、へんな種名をつけられて泣いている昆虫、36種を紹介。
◇昆虫にまつわる悲しい話
北海道の登山隊がミニヤコンガで遭難したときに再発見された「ウンナンシボリアゲハ」や、昆虫好きのあこがれの昆虫学者の泣ける話を掲載。
昆虫の悲しい生態を描いた「自然」、人間のつくった環境でたくましく生きる姿を描いた「人間と昆虫」、そして、人間の解釈に翻弄される「人間の勝手」という3章からなる109のエピソードと8つのコラムから成る本書。
全ページオールカラーの必死になって生きている昆虫たちの姿に、元気をもらえること間違いなしの一冊である。
【商品概要】
『泣けるぜ!昆虫』
定価:本体900円+税
学研出版サイト:https://hon.gakken.jp/
(Y.FUKADA)