京都「東福寺」の通天橋から雲海のように広がる紅葉を楽しむ

奈良の最大の寺院「東大寺」と盛大を極めた「興福寺」の東と福の字を貰ってつけられた「東福寺」は京都の紅葉の名所のひとつ。

東福寺の敷地は広大であるが、通天橋と開山堂はぜひ拝観されたい人気のスポット。

洗玉澗(せんぎょくかん)と呼ばれる境内の渓谷には、臥雲橋(がうんきょう)・通天橋(つうてんきょう)・偃月橋(えんげつきょう)の3つの橋が架かり、一帯に多くの楓や唐楓の木が植栽されている。

 

橋脚から屋根まで木造りの臥雲橋は生活道路でもあるが、この橋から通天橋を眺める景色はCMなどでもお馴染み。

 

拝観受付で拝観料を納め順路を進むと、楓の紅葉が始まった美しい庭園からやがて洗玉澗へと下っていく。自然が身近に感じられ、混雑時でなければのんびりと散策が楽しめる。

 

観光客の流れに乗って紅葉の中を行くとやがて渓谷を登り切り道は再び平坦になる。

青空と木々の緑の中で愛らしくも感じる朱色の杮葺き八角円堂「愛染堂」が佇んでいる。愛染明王を祭る愛染堂は縁結びにも御利益があるといわれている。

 

順路に従い、開山堂へ続く渡り廊下への入り口へと向かう。

 

大きな門までたどり着くと、上部に楼閣が張り出しているのが特徴的な開山堂(別名 常楽庵)が正面に見える。

 

右手に池泉鑑賞式庭園、左手には隣接する「普門院」の白砂の砂紋庭園が広がり、その対照的な庭が興味深い。

 

渡り廊下を戻りいよいよ通天橋へ。

 

渓谷手前の楓と鮮やかな緑色の苔の対比の美しさに目を奪われつつ先へ進む。

 

通天橋からは洗玉澗の紅葉がまるで一面の紅く染まった雲海のように臥雲橋まで広がるのが見渡せ、橋の中央にある張り出し舞台は絶景の鑑賞スポット。

 

拝観時間は通常9時からだが、11月から12月第一日曜日まで8時半からになるので開門と同時に入場するのもお勧め。

なお、秋の特別公開期間中は混雑時、臥雲橋・通天橋からの撮影が禁止される時間もあるので留意されたい。

 

所在地:京都府京都市東山区本町15丁目778

 

(小椚萌香)