オーストリアのザルツブルクには、現代的な建物が並び中央駅もあるNeustadt(新市街)と、ザルツァッハ川を渡って「Festung Hohensalzburg(ホーエンザルツブルク城塞)」の裾野に広がるAltstadt(旧市街)がある。
モーツァルトの生家もある旧市街で、ショッピングストリートをぶらりと歩いてみよう。
観光客も多い、旧市街の目抜き通りが「Getreidegasse(ゲトライデガッセ)」である。老舗と現代のブランド店が並ぶ、観光客に大人気の通りだ。
ここで買い物するのも良いが、少し上を見て欲しい。鉄で作られた、かっこいい看板がそれぞれの店に下がっているのが見つかるはずだ。
老舗の傘屋、ビールを自家醸造しているレストラン、果てはマクドナルドやルイ・ヴィトンまで凝った作りの看板を下げている。
この看板を見ただけで、そこにどのような品物を扱っている店があるのか、一目瞭然だったそう。ひとつひとつ写真に撮っておきたいような、そんな素敵な看板が並んでいる。
さて、日本でもすっかりおなじみ、オーストリア土産の代表となっている「Mozaltkugel(モーツァルト・クーゲル)」の老舗を訪ねてみよう。
ザルツブルクはモーツァルト生誕の地。1890年にここでチョコレートを使ったお菓子を考案したのが、「Fürst(フュルスト)」だった。
現在もその伝統的な作り方にこだわって手作りであり、その証拠が丸いチョコレートにある、ぽつんとヘソのように飛び出した場所。
モーツァルト・クーゲルは中央のマジパンに棒を打ち、チョコレートをコーティングしていくのだが、それを抜いた後にできる穴に再度チョコレートを詰めるという手間をかけている。これがこだわりであり、本物の証拠だ。
筒入りの運びやすいものから、大きな箱入りのものまで。もちろん単品で買うことも可能なので、まずは味を試してから買うのもいい。ザルツブルクのお土産として、ぜひオススメしたい一品だ。
美しい街・ザルツブルクには様々な通りがある。それぞれにどんな店が多く集まっていたのかが分かるような特徴的な名前もついており、塩で栄えた商業の街であることを改めて知る。
老舗の看板や建物を眺めながら、のんびりと街歩きをして過ごしてみよう。
(田原昌)