暑い日にオススメ!驚きの仕掛けが満載の、ヘルブルン宮殿でびっしょり?!

ザルツブルクの町の中心から少し離れたところに、「Schloss Hellbrunn(ヘルブルン宮殿)」がある。

大司教が17世紀の初めに建てた夏の離宮だが、面白い仕掛けがたくさんあるので足を伸ばしてみよう!

ザルツブルク中央駅からバスに乗り、20分くらいで近くのバス停に到着。黄色い壁に囲まれた宮殿へと歩く。

門を抜けると、これまた黄色(黄土色)の建物がずらりと並んでいる。この宮殿内は自由に回れるが、庭園の方はツアーガイドと一緒に巡るので、まずはチケット購入と予約をしに行こう。

ツアーガイド開始前に、宮殿の室内を巡る。大司教が集めたと思われる絵画や彫刻、不思議な生き物が並ぶ。

白馬にイッカクの牙を付けたのではないかと思われるユニコーンが部屋の真ん中で立ち上がっており、まるで生きているかのよう。こういった幻想生物はキリスト教に必要だったのだろうか、それとも大司教の趣味なのか疑問が残る。

さて、ツアー開始の合図で皆が一斉に集まる。約30分~40分のコースだ。

石で出来た観客席に座ると、この宮殿の成り立ちから、作った大司教Marcus Sittics(マルクス・ジッティクス)について解説してもらう。大司教はどうやら、客人を驚かせるためにここを作ったらしい。

そして説明が終わると、希望者を募って観客席の前にある石のテーブル席に座ってもらう。

何かが起こるに違いないと怪しみながら人が座ると、ガイドさんがその場を離れる。すると、座った人たちの背後から噴水が一気に噴き出した!

座っていた人たちは驚いて悲鳴をあげ、その場にいた人たち全員で大笑い。大司教もきっと、悲鳴をあげて驚く客人たちを笑ったに違いない。

そう、このヘルブルン宮殿の庭園にはあちこちに仕掛けが施してあり、歩いている途中や洞窟のようになっている場所など、逃げ場のないところで水が吹き出す仕組みなのだ。

どこでも吹き出すものだから、皆が疑心暗鬼になって壁や足元に注意する。しかし、それくらいで避けられるような仕組みではなかった。

飾り付けられた鹿の角からも水が噴き出し、皆で濡れる。悲鳴やら笑い声やらで非常に面白いツアーだ。

水をかけられるだけでなく、水の力を利用したからくりなども面白い。

時期としては日本では江戸幕府ができた頃。その時期に水を利用したエンターテイメントを作ってしまうとは、大司教の遊び心はなかなかである。

気温の高い時期、特に天気のいい時にぜひ訪れてほしい水遊びのスポットだ。

(※11月~3月末日まで休業のため注意)

(田原昌)