西宮神社の風鈴市で出会った瑞城窯の繊細で美しい器

毎年7月10日に行われる西宮神社の摂社「沖恵美酒(おきのえびす)神社」の例祭を中心に開催される「夏えびす」。

9日・10日には「あらえびす夜まつり」としてエビスビールフェスタが開催され、参道には飲食店やゲームの屋台が並ぶ。昼間から風鈴市があり、出店の軒先に風に合わせて軽やかな音色が響いている。

中でも目を引かれたのが、「瑞城窯」の美しい模様の器。コーヒーカップやピアマグ、小皿、急須、湯飲み、猪口、ぐい飲み、アクセサリー、花器、箸置きなどが所せましと並ぶ。

店主は京都の陶芸家 西村直城氏。陳列の途中のようだったが、声をかけるととても嬉しそうにいろいろと説明をしてくださる。

編み込まれたような模様は「練り込み」という技法で、箱根の寄せ木細工のような行程を経て、大きな塊から1つの作品ができあがるそう。

すべて手作りのため、世界にひとつだけの模様だ。釉薬を塗り表面がつやつやとしているものや、そのままの風合いのものなどそれぞれに個性がある作品揃いでお気に入りをひとつ選ぶとしたらこれまた悩ましい。

京都市に生まれた西村直城氏の陶歴は長く、中学生のころから焼物の道を志し、嵯峨美術大学や京都陶工訓練校・京都市立工業試験場などを卒業した後、自宅に築窯。様々な賞も多数受賞している。

日本各地でクラフト展やグループ展に出展し、個展も開く。

2019年8月以降の瑞城窯の出店予定は8月7日から10日の五条坂陶器まつり(京都)、9月14日から23日の秋の大阪城風鈴クラフトまつり(大阪)、10月18日から20日の清水焼の郷まつり(京都)、10月25日から27日の八ヶ岳クラフト市(長野)。

11月20日から12月2日の哲学の道ギャラリー桜谷町47(京都)にて個展開催。

機会があればぜひ見てほしい繊細で美しい陶器の数々だ。

 

瑞城窯 住所:京都府船井郡京丹波町和田丸戸55

 

(小椚萌香)