台湾第二の都市である高雄には、地下鉄(MRT)、市電、そして台湾鉄道が走っていて非常に便利。特にMRTは街を東西十字に走っており、観光をするにはこれだけで十分回れる。
その東西に走るMRTの2つの路線「紅線(レッドライン)」と「橘線(オレンジライン)」が交差するのが「美麗島」駅で、ここには名物のガラス天井があるのでちょっと立ち寄りたい。
地下鉄のホームから上がると、改札口の丸い天井が色鮮やかなガラスに覆われており、まるで大聖堂のステンドグラスのよう!「光之穹頂(光のアーチ天井)」という、美しく巨大なガラスの作品である。
さて、その次の駅「高雄車站」で台鉄に乗り換える。台鉄は日本で言うところのJRで、台湾の都市同士をつなげている重要な路線。
「高雄車站」の歴史は古いが、現在は新しい駅に作り変えるべく部分的に工事中。モダンで広々とした、高雄の顔となる駅だ。
駅構内には、日本と同じく指定券などの切符売り場や日本語のパンフレットが充実している観光案内所、コンビニまである。日本となんら変わらないので、つい錯覚してしまうほど。
ホームは「月台」、「北上」か「南下」と書かれているので分かりやすい。今回目指すのは台南なので「北上」のホームへ。
最近日本で爆発的に大人気の「珍珠紅茶掌鐡(タピオカミルクティー)」を駅構内のカフェで購入し、特急列車に乗る。ここから約40分の旅だ。
一昔前の日本の特急列車を思わせる車内。そして車窓からは南国らしい景色が見られる。時折「岡山」など、日本でも聞く駅名が出てくるので驚きつつ、あっと言う間に台南に着いた。
台南駅はこれまた懐かしい、日本の地方駅のよう。駅名の表示や構内の様子などを見ていると、面白いほどよく似ている。
駅の改札を通ると目の前に大きなロータリーがあり、バス停とタクシー乗り場がある。観光案内所で地図などをもらったら、ここからバスに乗って市内を観光しよう。
そして台南からの帰りには、キオスクで買って帰りたいものがある。それはなんと、日本でもおなじみの「駅弁」だ!
向こうでは「台鐵便當(たいてつべんとう)」と表示されており、紙製の弁当箱を絵が描かれた紙で包んでいる。割り箸とお手拭きまでついていて、まさに駅弁。
中にはかりっと揚げられたトンカツのような排骨(パーコー)がどーんと白米の上にのせられ、漬物までついていた。
日本のような旅情に想いを馳せながら、駅弁をつついて列車の旅が楽しめるのも、台湾ならではである。
(田原昌)