広大な鳥取砂丘の馬の背から見る日本海の美しさ

鳥取に行ったら1度は歩いてみたい鳥取砂丘。

鳥取砂丘は少しずつ積み上げられてできた日本最大級の砂丘で十万年もの歳月がかかっているという。

南北に2.4km、東西に16km、高低差は最大で90m。

平日の9時前に到着したが、すでに砂丘をパラパラと歩く観光客が見える。砂地の向こうに日本海が広がっている。

たくさんの人が踏みしめた砂の上に自らの足跡を刻みながら海の方へと進む。

馬の背と呼ばれる砂の高く積もった部分は下から見上げると巨大な砂の壁。その麓の水がたまっている場所は季節によって現れたり消えたりする雨水が湧き出たもので「オアシス」と呼ばれる。夏には干上がってなくなるそうだ。

対象物が見当たらないのですぐ近くと思えた砂の山は遠く、なだらかに見えた傾斜は急だった。

大勢の観光客が来る前にと朝食を後回しにしたことが少々悔やまれる。

踏みしめる砂の半分ほどが後方へ押し戻され、空回りをするように前へ進まない。

足元の砂ばかりを見ながら黙々と歩き、ようやく馬の背の頂上にたどり着く。馬の背から見た日本海は美しかった。

岸辺まで行くことができるが、戻ってくることを想像すると足が進まない。振り返れば胡麻粒のように小さい観光客とくっきりと輪郭を現したオアシスが見える。

馬の背から降りるときは登りとは打って変わってズルズルと滑るように進む。砂の中に白いレジ袋が埋まっているのが目に付く。故意に捨てたのではなく風に吹かれて飛んできたものと思いたい。袋を拾ってまた歩き始める。

平坦になったあたりで砂を観察すれば靴底の跡に交じって小さな生き物が歩いた跡がある。寒い冬と暑い夏、過酷な環境と思われるが、そこに適応して生きるものがいる。

砂丘の散策を終え、砂丘道路を隔てたところにある「砂丘会館」に「朝定食」の旗が立っているのを見つけ朝食にすることに。

素朴な和定食だが、疲れた後にほっとする朝食をいただいた。

 

所在地:鳥取県鳥取市福部町湯山2164-661

 

(小椚萌香)