チェコ共和国はかつて神聖ローマ帝国の一部であり、またプラハはその首都でもあった。
そんな神聖ローマ皇帝の居城が、プラハから1時間以内で行ける場所にあるので訪ねてみた。
ボヘミア王であり、かつ神聖ローマ皇帝であったカレル4世によって建設された「Hrad Karlštejn(カールシュタイン、カルルシュタイン城)」。列車に乗っていると窓からちらっと見えるその城は、白い直方体で、まるで要塞のように見える。
プラハ中央駅からピルゼンやドイツ方面へ向かう各駅停車に乗り、わずか40分。「Karlštejn(カールシュタイン)」という駅で降りる。郊外の小さな町だが、駅は大きい。
駅からは歩いて城を目指す。プラハの中心を流れるヴルタヴァ川(モルダウ)を渡り、しばらく歩いて行くと町に出る。
日本で言うところの城下町のようでもあり、道の両側にはレストランやお土産屋が並ぶ。帰りにちょっと立ち寄りたい。
道のまっすぐ先に見えるのが、カールシュタイン城。ずいぶん遠く、高い位置にある。
駅からはトータルで30分はかかるので、時間に余裕を持って目指したい。歩くのが大変な時は、馬車に乗るのもいい体験になるのではないだろうか。
最後に急な坂を登り切れば、来るものを拒む巨大な城門が目の前に。
山の頂上に天を衝くように建っているような城なので、見上げてばかりで首が痛くなってしまう。そんなガッチリとした城の造りは、プラハを守る要塞としての意味もあったのだろう。
城門をくぐると広場になっている。ぐるりと巡る城壁や塔が巨大で、城自体の姿がなかなか見えない。攻める側には厳しい、堅固な城だ。
城門内の広場の片隅に、チケット売り場がある。サクッと巡れる約1時間のベーシックコースから、全て見て回る100分のコースなどがある。
カールシュタイン城は自由見学ではなくツアーになっているので、予約をしてから行こう。ガイドは英語だが、日本語のオーディオガイドもあるという事なので心配はない。
城を巡るツアーを堪能したら、城下町に降りて地元のビールで乾杯!
プラハから日帰りで満足できる、オススメの城だ。
(田原昌)