南仏・アヴィニョンの観光の中心は、やはり旧教皇庁付近。地元の人や観光客など、非常に賑わいのある街だが、どこか落ち着いた雰囲気があるのは場所柄なのだろうか。
今回はそんな旧教皇庁に近い、観光に便利なホテルを選んでみた。
アヴィニョンの駅を降りると、目の前に城壁が見える。その全長約4.3kmの城壁にぐるりと囲まれている内側が旧市街だ。
旧市街と言っても道路は広く、新しくおしゃれな店もあり、「アヴィニョンの演劇祭」を彷彿とさせるカフェや店もある。
城壁を抜け、広いCours Jean Jaurès通りを進んでいくと、さらに賑やかなRue de la République通りに入り、やがて一般車両が入れない石畳の広場「Place de l’Horologe(時計台広場)」に着く。ここには市庁舎やオペラ劇場があり、大きなメリーゴーランドやレストラン、カフェがある賑わいの中心。
そしてこの広場に面して立つのが「Hôtel de l’Horologe(オテル・ド・ロルロージュ)」だ。
部屋数は少なめだが、4つ星らしい上質な雰囲気が出迎えてくれる。デスクの人たちも親切で、レストランの予約など気軽に相談できた。
部屋の中はおしゃれではあるが、ほっとするようなアットホームさで旅の疲れを癒してくれる。バスタブがついているのも、日本人にはありがたい。
最上階の部屋が一番人気なのは、テラスがあること。街が見渡せる最高のロケーションだ。
このテラスに出て、市場で買ってきたチーズやハム、パティスリーなどを食べながらワインを頂く。夕暮れになれば旧教皇庁をはじめとする教会の鐘の音が響き、悠久の時を感じられるという贅沢。まさに、心に沁みる旅が味わえる。
せっかく素敵なテラスがあるのだから、朝食は市場で買ってきたものを頂くのもよし、ホテルの朝食を頼むのもよし。
ホテルの朝食はビュッフェ形式。ガラス張りのサンルームで搾りたてのオレンジジュースを飲みながら、バターたっぷりの美味しいクロワッサンは最高の朝食だ。
観光の利便性、そして心が満たされる心地よい滞在。それが叶う素晴らしいホテルだった。
(田原昌)