芦屋市街地と有馬温泉を結ぶ「芦有(ろゆう)ドライブウェイ」。
「芦屋川 むら玄」は芦有ドライブウェイの芦屋ゲート近くに佇む、平日でも満席になることが多い人気の手打ち十割そば店だ。
うかがった日は土曜日。駐車場へは食事処と製麺所の建物の間のモダンな通路を横切って入る。
かろうじて1台分のみ空いていたので車を停めると、駐車している車の多くが県外ナンバーの乗用車だった。
待ち客が数組あったので敷地内を歩いてみると、楓の紅葉が進み日に当たって鮮やかに輝いている。
近くを流れる川のせせらぎが聞こえ、自然豊かな地の中にいるのがひしと感じられる。
テラス席では水音を聴き、山の空気を感じながらの食事が楽しめるが、秋も深まる時期以降は肌寒く、真夏同様利用していない。
席が空くのを待ち、店内に案内されると高い天井に太い梁が古民家風にも感じられる空間で解放感のある空間。
「本日から北海道と茨城産の新そばが入荷しました」と説明があり、シンプルなメニューは「酒」「ビール」「肴」の数種類、十割そばの「温」「冷」の数種類が記載された2枚。
ドライバーでなければ玉子焼きやそば味噌、期間限定ではあるが水なすなどをアテに日本酒というのもよい。
芳しい香りのそば茶をいただきながら窓から見える紅葉を楽しめば蕎麦を待つ時間も短いというもの。
オーダーしたとろろそばは、大ぶりな器に細打ちのそばとたっぷりのとろろが乗る。とろろの上のスタイリッシュなトッピングはアオサとそばの実。別皿の紫蘇の葉の上に薬味の山葵と徳利にそばつゆ。
そばつゆを直接この器に注いでいただく。
そばは細いがコシがあり、のど越しがよい。食事のあとにいただくそば湯はとろりと濃厚。
ミシュランの星を獲得する「芦屋川 むら玄」。スタッフのホスピタリティも滞在中の心地よさに一役。
美しい自然の中の隠れ家のような一軒家で打ちたての蕎麦が味わえる贅沢な時間だった。
駐車場は芦有ドライブウェイの芦屋ゲート入口にも数台分用意されている。
住所:兵庫県芦屋市奥池南町1-23
(小椚萌香)