富山県砺波市の庄川沿いに温泉施設が点在する「庄川温泉郷」。
大自然に恵まれた温泉郷は古くから湯治の湯として人々に親しまれ、それぞれ異なる泉源のもと多彩な湯を楽しめる。
庄川温泉郷では、大正13年に料理旅館として創業したのが始まりという「鳥越の宿 三楽園」に宿泊した。
到着すると車を誘導してくれ、館内に入るとすぐにチェックイン手続き。予定の時間よりずいぶん早く着いてしまったのだが、ラウンジ横にある浴衣と作務衣の両方を選ぶとそのまま部屋に案内してもらえた。
客室は本館・別館とも庄川峡に面しており、案内された部屋の窓からは庄川が望める。
居心地の良い照度に設計された客室は、就寝時には人間が古来より熟睡できると云われている満月の明るさに設計されているそうだ。
部屋でのお茶の接待はないが、チェックインの時間から翌朝までラウンジでコーヒーや紅茶がセルフでいただける。
浴衣に着替えて成分の異なる2つの濁り湯が楽しめるという大浴場へ向かう。
一つは塩分と炭酸ガスを多量に含んだ白濁の炭酸水素塩泉「庄川清流温泉」、もう一つは鉄分と炭酸ガスを含む赤茶色の炭酸鉄泉「鳥越の湯」。
特に鳥越の湯は炭酸ガスの溶存が多いので湯に浸かってしばらくすると肌に気泡がびっしりと付いてくる。
源泉温度は低く半露天風呂に注ぐ温泉は冷たいが、熱交換による加温でちょうどよい湯加減が保たれている。
遠赤外線サウナと涼み処のウッドデッキがあるのも嬉しい。
源泉100%かけ流しの温泉を存分に堪能した後、ラウンジでアイスコーヒーをいただく。温まった体に美味しいアイスコーヒーが沁みる。
夕食は食事処に用意される。
富山湾と庄川峡という食材の宝庫に囲まれた地の、旬の海の幸・山の幸をふんだんに使った料理がテーブルにを彩る。
地の味・季節の味を生かし、美と健康をテーマにした三楽園会席は旬の魚、肉、野菜や海草、豆などを組み合わせ、ボリューム感ありながら800kcalと低カロリー。
カロリーを抑えながらも見た目も美しく味わいに富んだ料理は満足の一語。
朝食は前夜と同じテーブルで「和食膳」をいただく。
お米は、名水どころ富山の美味しい水と地元契約農家で丹念に育った低農薬有機米を使用。美味しい卵かけごはんと地の食材を使用した料理で朝から食が進む。
きめ細かいサービスと希少な温泉、美味しい食事が嬉しい、何度も訪れたくなる宿であった。
住所:富山県砺波市庄川町金屋839
鳥越の宿 三楽園 公式サイト:http://www.sanrakuen.com/
(小椚萌香)