2002年、航路を田子の浦-土肥両港間から現状(清水港-土肥港)に変更して以来、16年間運航している「駿河湾フェリー」。
ゴールデンウィークや夏の帰省時期、あるいは秋の行楽シーズン中の連休など東名高速道路の渋滞に巻き込まれた方も多いのではないだろうか。
西伊豆の土肥に宿泊した際、東名高速の渋滞を少しでも避けるべく乗船した駿河湾フェリー。土肥港から清水港まで高速フェリーで70分の船旅を楽しむことに。
「土肥港から清水港まで約70分、清水港で下船すると東名高速清水インターまでは15分ほど、待ち時間なども含めると東名高速道路の利用と変わらない」と思うなかれ。
渋滞の代わりに1時間強ゆったり寛げる船内の空間が待っている。
乗船までの時間、土肥港の岸壁から足元の海を覗くと海底まで見えるほど水が澄んでいた。
フェリーの車両乗船口から乗船し誘導の指示に従い車両デッキに車を停める。
客室階にあがると特別室「オーシャンルーム」へ入室するためのチケット販売機があるので購入。特別室のチケットはシール式になっていて下船まで左胸に貼っておけば出入りは自由。
特別室はゆったりとしたソファやリクライニングシートが設置され快適な空間。
特に進行方向に大きく開けた窓に面したリクライニングシートは見晴らしも良く極上の気分。
昨年8月期は年間17万3千人、乗用車2万9,300台、バス2,500台を輸送し、伊豆と静岡をつなぐ周遊観光ルートの役割を担ってきたが、残念なことに来年3月末で運行廃止が決定した。
道路整備の進展などが逆風となり、今後さらなる燃料費上昇も予想されるため、事業撤退の判断に至ったという。
全長約30キロの駿河湾フェリー航路は、道路法上の整備や供用開始手続きを取っていないため未供用県道ではあるが、「静岡県道223号清水港土肥線」となっている。
運行期間中に機会があればぜひ乗船して海から見る富士山や駿河湾の景色が楽しめる「静岡県道223号」の旅を経験してほしい。
県道の標識がフェリーの甲板に設置されているので乗船の際はお見逃しなく。
(小椚萌香)