平成10年9月6日。この日、日本が誇る世界の巨匠、黒澤明監督(1910~98年)が88歳の生涯を閉じた。
そう、今年は「世界のクロサワ」と呼ばれた黒澤明没後20年の節目である。
そこで、動画配信サービス「U-NEXT」は、黒澤監督作全30本のうち、配信可能な29本をすべて見放題として配信中。豪快な手触りが魅力の時代劇から、人間の弱さやはかなさを描いた現代劇まで、「世界のクロサワ」と評された作品の数々をぜひ、見て欲しい。
■羅生門(1950年)
芥川龍之介の短編小説を原作とし、黒澤の世界的評価を決定づけた作品。ひとりの男の死を巡る4つの異なる証言を元に、人間の業をダイナミックな映像手法で描く。
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、その名を世界に知らしめた。
■生きる(1952年)
黒澤作品には欠かせない名優・志村喬が主演を務め、真面目だけれど目的もなくただ日々を過ごす市役所の課長を好演。
「生きる」とはどういうことなのかを教えてくれる、笑えて泣ける傑作。
■七人の侍(1954年)
世界の映画人に多大な影響を与えた名作中の名作。
マルチカム方式という、1つのシーンをさまざまな角度から複数のカメラで同時に撮影する手法を日本映画で初めて取り入れ、迫力ある映像を創り出している。人間味たっぷりなキャラクター描写はもちろん、野武士と侍たちの壮烈な戦いは圧巻のひと言。
■隠し砦の三悪人(1958年)
国を滅ぼされた大将が、世継ぎの姫と軍用金を抱えながら、危機的状況を何度も潜り抜ける姿に興奮必至。
黒澤作品の中でも特に娯楽色の強い1本と言われており、狂言回しとなる百姓2人が、『スター・ウォーズ』に登場するC-3POとR2-D2の元になったという話はあまりにも有名。
■椿三十郎(1962年)
前年に製作された『用心棒』のヒットを受け、続編的な位置づけで作られた本作。なんといっても殺陣のシーンは迫力満点で見応え十分。
■赤ひげ(1965年)
江戸時代に幕府が設置した小石川養生所を舞台に、所長である通称・赤ひげと青年医師、そこを訪れる人々の交流を描いた人間ドラマ。
赤ひげを演じた三船敏郎は、本作が最後の黒澤作品への出演となった。
上記6作品を含め、「 姿三四郎」や「影武者」「乱」など全29作品が見放題で配信。
世界の映画に影響を与えた黒澤作品。その凄さを是非この機会に見てほしい。
特集:https://video.unext.jp/feature/cp/kurosawa_2018/?nfignore=1&rid=PR00210
(Y.FUKADA)