松川渓谷にある落差約30mの「雷滝(かみなりだき)」。 「裏見の滝」とも呼ばれ、滝の裏側から流れ落ちる豪快な姿も見ることができる。
発見されたのは比較的新しく、100年ほど前のこと。
信濃の善光寺と上州・草津温泉を結ぶ山田街道を行く旅人や山稼ぎの人々には、松川渓谷の底から雷鳴のような響が聞こえるが、その発信源は絶壁に取り囲まれていて誰も見ることができなかった。
この音の源を確かめたのは山田村の若者。ありあわせの丈夫な綱1本に命を託し、一歩一歩絶壁を降り、苦闘の末ついに幻の滝の全容を見極める地点に到達したという。
滝への降り口付近にわずかなスペースの駐車場があり、滝へ向かう階段を降り始めるとすぐに轟々と凄まじい音に包まれる。
数分も歩くとやがて轟音の主「雷滝」が姿を現す。水しぶきで濡れた遊歩道は滝の裏まで続いている。足元はだいぶぬかるんでいる場所もあるので注意して先に進もう。
滝に近づけば近づくほど空気はひんやりと冷気を増し、さらに細かいしぶきが体全体に降りかかり冷涼寒たっぷり。
滝の裏で轟音と流れ落ちる大量の水の勢いを楽しんだら、その先にある小さな展望所まで行ってみよう。
下から見上げる「雷滝」もまた豪快で、滝を覆うような緑濃い木々の爽やかな景観とマイナスイオンのシャワーで清々しい気分になり思わず大きく息を吸う。
秋の紅葉シーズンはさぞ美しいだろう、とはだれもが思うようで紅葉シーズンは混雑すること必至。初めての方はまずは夏のできれば平日に行くことをお勧めする。
豪快に落ちる滝を間近で見ることができる雷滝からひとときの「涼」と「パワー」のお裾分けをいただきに訪ねてみてはいかがだろう。
所在地:長野県上高井郡奥山田
(小椚萌香)