建築倉庫ミュージアム、企画展『「建築」への眼差し -現代写真と建築の位相-』開催

寺⽥倉庫が運営する建築倉庫ミュージアムは東京・天王洲にある建築模型に特化した国内唯一の展示施設。

建築模型を広く一般に公開する『ミュージアム』であるだけでなく、模型専門の『保存』機能をもつ、新しいかたちのミュージアムだ。

 

建築倉庫ミュージアムは、国内外で活躍する13名の作家の作品を通じて現代の写真表現と建築の間に存在するより多義的で複雑な関係を示すコンセプトのもとに企画された、『「建築」への眼差し -現代写真と建築の位相-』を8月4日(土)から10月8日(月・祝)まで開催する。

 

【本展の見どころ】

■国内外で活躍中の13人の写真家、現代美術家による37点の写真作品と映像作品1点を展示

■「サヴォア邸」(ル・コルビュジエ)、「トゥーゲントハット邸」(ミース・ファン・デル・ローエ)、「カノアスの邸宅」(オスカー・ニーマイヤー)といったモダニズム建築の名作からヘルツォーク&ド・ムーロンの近作「エルプフィルハーモニー・ハンブルグ」まで、国内外の13の有名建築が被写体

■被写体となった6つの建築物の模型を展示

■建築家・Atelier Tsuyoshi Tane Architects(建築家:田根剛)による、展覧会テーマを踏まえた会場設計

■作家について:

13名の作家の作風は多岐に渡るが、そこにいくつかの傾向を見ることができる。例えば建物へ私的な視線を向け、特定の時間と場所における一回性の経験として建築を捉えようとする一群の作家達がいる。

写真は外の世界を記録すると同時に撮影者の内面を反映する。彼らにとって建築は空間的かつ時間的な体験であり、そこで得た印象は撮影された写真にも色濃く現れている。極端な場合は、一般的な建築写真に見られるような客観的な記録性はほとんど顧みられない。

またそれとは逆に、写真の持つ透明な記録性を重視しつつ、それを固有の作家的表現へと転化するアーティストたちがいる。

デュッセルドルフ美術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャーに師事した、いわゆる「ベッヒャー派」にはこの傾向に属する作家が数多くいるが、今回はそのなかからトーマス・ルフとカンディダ・へーファーの作品を紹介する。

最後は建築を概念的に扱う作家達だ。具体的な建築物を撮影することから離れつつも建築を作品のテーマする、あるいは個々の建築物の背後にある建築家の思考という不可視のものを写真で捉えるなど、より自由で多彩な実践が含まれる。

 

模型を通じて建築物の全体像を把握することで、個々の写真表現の魅力や特徴がより深く楽しめる、模型も写真もじっくりと見てみたい企画展だ。

住所:東京都品川区東品川 2-6-10

建築倉庫ミュージアム:https://archi-depot.com

 

(MOCA.O)