クラフトビールがもっとおいしくなる!ヨーロッパ産チーズ

ビールがよりおいしく感じる、爽やかな季節。最近ではラガータイプやピルスナータイプだけではなく、はホワイトビールや黒ビールといったタイプのビールも、よく見かけるように。そこで、今回は味わいあるこのホワイトビールや黒ビールに注目し、それぞれに相性の良いチーズを、国際チーズコンクールの審査員も勤める佐野嘉彦氏がご紹介。

小麦を多くの割合で使用しているホワイトビールは、バナナや柑橘系の果物、またジャスミンやスズランといった白い花のような香りがある。そんなホワイトビールのおいしさを引き立ててくれるチーズのひとつは、酸凝固タイプのソフトなチーズ。真っ白でホロホロとした食感で、ヨーグルトのような爽やかな酸味が美味しいチーズだ(下記写真①のチーズ)。これに香味豊かなホワイトビールを合わせると、まさにフルーツヨーグルトをイメージさせる味わいに。少しデザート感覚で楽しめるペアリングになる。

もう少しおつまみ感がほしいときは、ミモレットのようなしっかりと熟成したハードタイプのチーズがおすすめ(下記写真②のチーズ)。うま味が濃厚で塩味もしっかりある長熟のチーズに、ホワイトビールを合わせると、その濃厚さを少し和らげながら風味をさらに豊かにしてくれる。

黒ビール(ブラックビール)は、キャラメルやビターチョコレートのような香りがあり、苦味と甘味が共存しているのが特徴だ。コンテなどのような山岳地帯で作られる大きなハードタイプのチーズ(上記写真③、④のチーズ)は、風味にあまりクセがなく、それでいてうま味があるのでおすすめだ。

山のハードタイプのチーズは、熟成度合いによって楽しめるポイントも変化。まだ若いものは、やさしいミルク感が特徴なので、黒ビールと口の中で合わせると、キャラメルかけのナッツのような、お菓子のような印象に。一方、18ヶ月以上のしっかりと熟成した山のハードチーズは、食べると少ししゃりしゃりとしたアミノ酸の結晶が生じてきて、香味も複雑に。ミルク感というよりは焼栗のようなこっくりとした味わいになる。

今回のおすすめをひとつのヒントに、ビールとチーズのベアリングを楽しんでみてはいかが? どれにしようか困ったときは、チーズ専門店へ。ショップスタッフは喜んでアドバイスしてくれるはずだ。

(Takako.S)

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