日産セレナが「e-POWER」搭載でミニバン界の絶対王者になる!?

3月1日に発売された「セレナe-POWER」は、発電専用のエンジンが生みだす電力を使い、モーターの力で走るシリーズハイブリッド車だ。仕組み自体は先のノートe-POWERと同様だが、もちろんミドルサイズミニバンの特性に合わせたチューニングや仕様の変更が施されている。

具体的には、駆動用モーターの最高出力を100kW(ノートe-POWERは80kW)に、最大トルクを320Nm(同254Nm)にパワーアップしたほか、それに伴ってバッテリー容量を1.5kWhから1.8kWhに増加。また、1.2L直3エンジンの最高出力も58kWから62kWにアップし、発電能力を向上させている。

静かなモーター駆動の美点を活かしきるべく、遮音性能も大きく引き上げた。フロント&前席サイドガラスは遮音フィルムを挟み込んだ高級車仕様で、センターカーペットを4層構造としたのは日産初。セレナのガソリン車に対して、実に25もの遮音アイテムを追加している。

もちろん、アクセルペダルのみで加減速&停止可能な“ワンペダル”感覚の走りも楽しめる。ミニバンということで回生ブレーキによる減速Gの出方をノートのそれよりも滑らかにし、乗員がより快適に過ごせるセッティングとしている。慣れは必要だが、慣れれば実に便利で楽チンなことこの上ない。

EVのような出足のスムーズさもe-POWERならでは。セレナe-POWERではさらに、なるべくバッテリーだけで走行する「マナーモード」やバッテリーへの充電を優先する「チャージモード」も新たに搭載された。

JC08モード燃費は26.6km/Lと、ヴォクシーHV(23.8km/L)やステップワゴンスパーダHV(25.0km/L)といったライバルよりも良好。ストップ&ゴーが多い街中をメインに走る方の場合、実燃費ではさらに差が広がるかもしれない。

e-POWER専用のブルーを効かせた内外装もなかなかオシャレだ。ちなみにセレナe-POWERは、セカンドキャプテンシートの7人乗り仕様のみとなる。

これまで極シンプルな「S-ハイブリッド」しかなく、フルハイブリッド仕様も備えるノアやヴォクシーの後塵を拝することもあったセレナだが、e-POWERというパンチの効いたモデルを投入することで、ミニバンの勢力争いに大きな変化をもたらしそうだ。

■グレードおよび価格
セレナ e-POWER X=296万8,920円
セレナ e-POWER XV(※)=312万8,760円
セレナ e-POWER ハイウェイスター=317万8,440円
セレナ e-POWER ハイウェイスター V(※)=340万4,160円

※先進運転支援システム「プロパイロット」は上位モデルのみ「セーフティパックB」としてOP装備可能

(zlatan)

画像元:日産自動車