外湯めぐりで野沢温泉を堪能しよう

スキー場としても有名な野沢温泉には地元の湯仲間によって管理されている共同浴場が点在する。

大湯・河原湯・秋葉の湯・麻釜の湯・上寺湯・熊の手洗湯・松葉の湯・中尾の湯・新田の湯・真湯・滝の湯・横落の湯・十王堂の湯の合計13の外湯で観光客も利用できる。

野沢温泉に宿泊したら、宿から近い外湯をいくつかまわってみよう。

野沢温泉外湯のシンボルともいえる「大湯」は美しい造りの湯屋建築。泉質は単純硫黄泉で、あつ湯とぬる湯の浴槽が並ぶ。

道を挟んだ対面に足湯も設置し、観光客にも人気。

「大湯」からすぐの「河原湯」は温度の高い温泉が張られるので湯上りは体の芯からほかほか。

「河原湯」のすぐ前に酒屋がある。火照った体に魅力的な生ビールや昔懐かしいラムネの文字に吸い寄せられる。生ビールといきたいところだが、湯めぐりの途中でもありここはラムネで喉の渇きを癒すことに。

3分ほど歩くと「上寺湯」が見える。歴史は古く麻釜より引湯した湯を浴場に注ぐ。泉質は、含石膏-食塩・硫黄泉。

「上寺湯」の先には熊が発見した湯との伝説がある「熊の手洗湯」。他の外湯と比べて源泉温度が低く、美肌効果の高い湯が人気の外湯。あつ湯とぬる湯のふたつの浴槽がありゆっくりできる。

温泉街の北に位置する「真湯(しんゆ)」。

入口付近に「天下乃名湯眞湯」の石碑と道祖神が佇む。野沢温泉では珍しい濁り湯で湯の花が多く舞う。

麻釜通りにある「麻釜(あさがま)の湯」は地元の人が野菜や卵を茹でるのに利用する「麻釜(おかま)」の源泉を引くので湯温はかなり高い。

地元の人たちの生活の場である外湯は外観や間取り、源泉は異なるが、どの湯もこざっぱりとして気持ちよく入浴できる。地域住民でつくる「湯仲間」という制度により清掃・管理が行なわれているからだ。

入浴料は村外の方の利用は寸志、野沢温泉の宿泊者は無料で利用できるが、ささやかながら感謝の気持ちを寸志入れに投入した。

廻り切れなかった残りの外湯は次回の楽しみにとっておくことにして、夕食の前の冷えたビールを想像しながらほかほかの体で宿へと足を速める。

 

(小椚萌香)