ニース〜コート・ダ・ジュールの甘いデザートの誘惑

地中海に面したリゾートの街「Nice(ニース)」。フランスにおいてとても温暖な気候であるこの土地には、世界中から人々が集まり、青い海と輝く太陽の恵みを楽しんでいる。

もちろん、楽しみなのはそればかりではない。

フランスと言えば美食の国。またイタリアに近いこともあって、カフェやコンフィズリー、ジェラートスタンドが非常に多く、デザートも堪能できる街なのだ。

温かい気候であるせいか、南仏にはジェラートの店がとても多い。イタリアに近づけば近づくほど増えて、ニースでは日本のコンビニ以上にジェラート店を見かけるようになった。そして老若男女問わず、美味しそうにジェラートを食べながら街を散策している人々を目にする。

混み合っている人気店をのぞかせてもらうと、花が多い南仏らしく「ジャスミン」「スミレ」などもある中で、イタリアのイメージなのか「トマトバジル」や、美味しいのかどうか不明な「ビール」「コーラ」などの面白いテイストも並んでいた。不思議な味を含めて様々な種類があるのは日本だけではないらしい。

ここで一件のコンフィズリーを訪ねた。窓のディスプレイには、チョコレートやマジパン、ニースのお土産にぴったりな菓子用の缶がたくさん並んでいる。店内にも様々な種類の菓子が所狭しと並んでおり、まさに「お菓子の家」だった。

窓際にフルーツが山のように盛られていた。これは「Fruits confits(フリュイ・コンフィ)」というニースの名物で、フルーツを丸ごと砂糖漬けにした甘い菓子である。

オレンジやいちご、アプリコットやキウイといったお手頃サイズから、メロンといった大きなものまで砂糖漬けになっている。日本人には少々甘過ぎるかもしれない菓子だが、丸ごとなのでインパクトは大きい。

クレープはもちろん、フランスが本場。食事用、デザート用と種類は多いが、南仏であるせいか蕎麦粉を使う「ガレット」はあまり見かけなかった。日本のように食べ歩きできるものも店舗によっては用意されているが、基本はカフェでゆっくりと頂く。


木々やひさしに直射日光を遮ってもらいながら、賑やかな街を眺めてのデザート。贅沢な一休みである。

(田原昌)