ネットで話題!やさしさ溢れる愛しいへたれ猫・ぽーの物語『やさしいねこ』

心温まる猫の物語が、またひとつ。ネットで話題となり、糸井重里氏も推薦する「弱虫猫ぽー」の物語が、写真エッセイとなって発売された。

ある日、著者の太田康介氏は自宅近くでブサイクな野良猫を見かけた。殺処分や事故死などで一生を終えてしまう不幸な猫をこれ以上増やさないようにと、その野良猫にTNR(捕獲、不妊手術、元に戻す)を実行。一代限りの「地域猫」として見守っていく。

しっぽに特徴があったので「ぽー」と名づけられたその猫は、他の猫に交じって餌を食べには来るが、他の猫が食べ終わるのを陰でじっと待っている遠慮がちな猫だった。


その体はいつも汚れ、傷ついていた。実は、ぽーは「町内最弱」で、まわりの猫たちからいじめられ続けていたのだ。太田氏はそれを見ていたたまれず、ぽーを家猫として迎え入れる。すると、今度は家の中の猫にもいじめられるぽー。それでもぽーは、少しずつ先住猫たちの心を開いていく。

さらには新たに保護した子猫の世話も始め、太田家にはなくてはならない存在となっていったのだ。

深谷かほるさんの漫画『夜廻り猫』で描かれて注目を浴びた、このやさしい猫「ぽー」の物語を綴った写真エッセイ。弱虫だけれど心の優しい「ぽー」の姿が、きっと心を温めてくれるだろう。

『やさしいねこ』
著者 : 太田康介
定価 : 1188円(本体1100円+税)
発売元 :  扶桑社
URL : http://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594078348

(田原昌)