バングラデシュと日本の職人のセッションから生まれたバッグ「Kanade 〜奏〜」

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」を理念とし、活動しているマザーハウス。今回はオリジナルグラデーションレザーを使用し、バングラデシュと日本の職人のセッションによって生まれたバッグ「Kanade」が誕生した。

■「異なる素材」と「技術」の調和
その名のとおり「奏でること」がキーワードとなった新作「Kanade」は、二つの調和のもとに生まれた。

一つ目は、「異なる素材の調和」。幾重にも色を重ねたマザーハウスオリジナルのグラデーションレザーと、現地のチーク材を持ち手に組み合わせることで、温かみと懐かしさを残しつつも、オリジナリティを感じられる仕上がりとなっている。

バングラデシュのチーク材を使用した持ち手

二つ目は、「技術の調和」。長年、現地のレザーを扱い続けているバングラデシュの職人と、国内の技術を継承する日本の職人が出会い、同じ時間を過ごすことで「Kanade」は完成。異なるバックグラウンドをもち、話す言語も異なる二人の職人の手仕事によって、バングラデシュならではの柔らかなレザーを生かしながら、オーソドックスで安心感のあるバッグが出来上がった。

手仕事ならではのふっくらとしたバッグの形状と、暖かみを感じるフラップの留め具

■「形状のデザイン」から、「素材とプロセスのデザイン」へ
形状の美しさや機能性を追求するだけではなく、素材の組み合わせをデザインすることや、モノづくりのプロセスをデザインすることからの学びが、「Kanade」の名の由来となった。

2016年にバングラデシュで起こったテロ事件の影響で、デザイナーが現地工場に滞在する時間が減ってしまった。それを解決するために、バングラデシュから日本に職人が足を運んで商品開発を進めたことで、日本の職人との出会いがあり、「Kanade」は誕生したという。

モノづくりをとおして、新たな挑戦を続けるその姿を、我々も応援したい。

公式ウェブサイト:http://www.mother-house.jp/

(田原昌)