プラハ観光の中心である旧市街には、主に観光客を対象とした市場がある。ここは常設であり、夕方近くまで開いている店もあるのでぶらりと立ち寄るのにはちょうどいい。
市民の食卓に並ぶような果物や野菜もあるが、お土産に最適な小物や菓子なども売っている。持ち歩いて食べられるよう、フォークが付いた果物のセットも美味しい。大きないちごやラズベリーがたっぷり入ったセットが人気だ。
場所はメインから少し離れてしまうが、プラハっ子たちが集まる市場もあるのでのぞいてみた。
バスや市電が行き交う道路の脇に突然作られたテント。農産物などを載せた車が到着し、野菜やチーズ、手作りのケーキや菓子がずらりと並んだ。大きくない市場だが、活気があってのぞいて回るのが楽しい。
ここで、面白いものを発見した。秋だったので、色とりどりのかぼちゃが並ぶ中「Hokaido(正しくHokkaidoと書かれているものも)」とプレートに記載されている、鮮やかなオレンジ色をしたかぼちゃを見つけた。
これはドイツで作られた品種で、北海道産のかぼちゃと掛け合わせる事で皮がやわらかくなったのだそうだ。日本の北海道を知らなくても、その音だけは知られているらしい。
もう一つ、秋の味覚としてやはりチェコでも人気のきのこ。あまり日本では見かけない種類が山盛りになっている中で、「Shii-take」を見つけた。ちょっと値段は高めだが、日本の椎茸をチェコで作っているのだろうか。フランスでも見かけたので、ひょっとするとヨーロッパに椎茸が普及しているのかもしれない。
チェコのモラヴィア地方のワインを、醸造家が直接運んできているトラックには人だかりが出来ていた。ビールが中心のチェコでも、秋という季節はワインも楽しむ。2リッターのペットボトルに注いで売っている姿は、なかなか豪快だ。
また、お土産に出来そうなハンドメイドのせっけんもあった。色鮮やかで見た目にも楽しい。
チェコ人が得意とする木彫りのおもちゃなども、お土産にすると喜ばれる。
こうして市場を見て回って、チェコの人々が普段どんな物を食べているのか、のぞけるのは旅のおまけ。様々な国のことを人々の暮らしの中から知るのは、貴重な経験となるだろう。
(田原昌)