人生には誰も真似のできないドラマチックな物語がある。高齢者はまさしく二つと無いドラマをそれぞれに演じてきた往年のスターだ。流れ行く時代の中で今の日本を築いてきたのは、間違いなく高齢者だからだ。
社会福祉法人みずき会は、寝たきり状態にある高齢者たちを主人公にしたオリジナル映画ポスター制作する「寝たきり銀幕デビュープロジェクト」のwebサイト(http://ginmaku.mizuki-okayama.jp/)を公開した。
同プロジェクトでは、介護施設に入居する「寝たきり」や「要介護」高齢者の、それぞれの人生の栄光と努力を賞賛し、人生の主人公として輝かせるオリジナル映画ポスターを制作する。
SCREEN1の主人公を務めるのは、バレーボールの選手として大会優勝の経験を持つスポーツウーマンの栗津ミサヲさん81歳。かつてのバレーボールの経験と現在の編み物の趣味を組み合わせ、大好きな美空ひばりを彷彿とさせる要素も散りばめた。作品の出来栄えに「本当にスターになったみたい」とミサヲさん自身も大喜びだ。
平均寿命世界一を誇る長寿大国日本。その裏側には、寝たきり期間が平均10年を越すという寝たきり大国日本という事実が潜み、この現状は増々深刻化している。
介護の仕事が辛くて大変というイメージが強く、高齢者は介護されることに対する負い目やストレスを抱えるなど、介護業界に悲観的な風潮が定着してしまった。そんな介護業界のイメージを払拭したい想いから、あえて寝たきりの言葉を入れたのが「寝たきり銀幕デビュープロジェクト」だ。
同プロジェクトのポスターは求人用として掲示。往年のスターの人生を輝かせる名脇役として活躍してくれる介護人材との出会いをきっかけに、介護業界の輝く未来を目指していくものになるだろう。